口コミが増えない接骨院がやりがちな3つの失敗と改善策
ブログ監修者

プランナー
棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)
【保有資格:医療経営士3級】

整骨院の開業・運営にかかる費用を少しでも抑えたい、補助金を活用したいとお考えの方へ。
私は医療機器販売と補助金申請支援の経験を活かし、整骨院経営を資金面からサポートしています。
「自院が対象になるのか分からない」「申請手続きが不安」そんなお悩みに丁寧に寄り添い、最適な制度選びから申請サポートまで対応。
補助金を活用することで設備投資や差別化が可能となり、経営の安定化にもつながります。
まずはお気軽にご相談ください。先生の想いを形にするお手伝いをさせていただきます。
Contents
口コミが増えない接骨院に共通する課題とは?

技術だけでは差別化が難しい現状
多くの接骨院が技術力の向上に力を入れていますが、患者は「治ること」を前提として院を選びます。つまり、技術は評価の土台であり、選ばれる決め手になりにくいのが実情です。来院から会計までの流れがスムーズか、説明が納得できるか、通院計画が見通せるか。こうした体験の質が少しでも不足すると、満足していても人に勧めたくなるほどの感動には届きません。
口コミが生まれるのは、期待通りの施術に小さな驚きや気配りが重なった瞬間です。受付の一言、名前での呼びかけ、次回までの過ごし方の提案など、施術以外の接点が価値を押し上げます。技術に「伝え方」と「通いやすさ」を足す発想が、口コミを増やす第一歩だと言えるでしょう。
患者が口コミを書きたくなる心理とは?
人は自分の良い体験を大切な人に共有したくなります。痛みが軽くなった事実だけでなく、「不安をわかってもらえた」「先が見えて安心した」「自分でもケアできると感じた」といった感情の変化が、紹介の動機を強くします。口コミは義務ではなく、喜びの副産物です。
そのためには、成果を実感できる小さな区切りを作ることが効果的です。初回は痛みの原因を一緒に確認し、二回目で日常動作の変化を振り返り、三回目でセルフケアの上達を称える。段階ごとに“できた”を積み重ねると、体験が語りやすい物語になります。語りやすい体験は、自然と口コミにつながります。
口コミが増えない原因① 患者体験を意識していない

接遇や説明不足が不満を生む
施術の技術に自信があっても、患者が納得していなければ口コミは広がりません。たとえば、専門用語ばかりで説明を終えてしまうと「何をされたのかよく分からない」と感じ、信頼感が薄れてしまいます。施術前に「今日はこういう流れで進めます」と伝え、施術後には「ここが改善している」と具体的に示すことで安心感が高まります。短い言葉でも理解できる説明は、患者の心に残りやすく、自然に人へ伝えたくなる体験につながります。
待合室や院内環境が印象を左右する
口コミは施術の良し悪しだけではなく、院内での過ごしやすさからも生まれます。清潔感の欠けた待合室や長時間の待ち時間は、それだけでマイナスの印象を与えます。一方で、待ち時間を有意義に過ごせる工夫があると、印象は大きく変わります。たとえば、症状に合わせた読み物やセルフストレッチの紹介カードが置かれていれば「ここは患者のことを考えている」と感じてもらえます。小さな配慮が積み重なり、口コミにつながる満足感をつくります。
小さな違和感が口コミ抑制につながる
靴箱の乱れや古びた掲示物、空調の不快感といった細かい要素も、無意識に不満を積み上げます。患者は口に出さなくても敏感に感じ取っており、その違和感が「人に勧めたい」と思う気持ちを下げてしまうのです。逆に、小さな違和感を取り除くことは「ここなら安心して通える」という信頼の蓄積になります。口コミを意識するなら、施術だけでなく、院全体の雰囲気を丁寧に整えることが欠かせません。
口コミが増えない原因② 自然発生に任せている

「良ければ口コミしてくれる」という誤解
多くの院が「施術に満足していれば患者は自然と口コミを書いてくれる」と考えがちです。しかし実際には、多くの人が忙しさや恥ずかしさから口コミを投稿しません。満足していても「わざわざ書く理由」がなければ行動に移らないのです。そのため、ただ良い施術を続けているだけでは口コミは増えにくいという現実があります。口コミは偶然に期待するものではなく、意識的に生み出す仕組みが必要です。
声かけや仕組み作りの不足
口コミを増やすには、患者に「行動のきっかけ」を与えることが欠かせません。施術後に「もし良ければご感想をお願いします」と自然に声をかけるだけでも投稿率は変わります。また、LINEやメールでお礼を送る際に口コミサイトのリンクを添えると、患者がすぐにアクセスできるためハードルが下がります。口コミ依頼は押しつけではなく、「感謝の延長」として伝えることが大切です。患者が「喜んでもらえるなら」と思える環境を整えると、口コミは着実に増えていきます。
クチコミ依頼の適切なタイミング
お願いするタイミングも成果を左右します。初診直後ではまだ信頼が固まっていないため効果が薄く、ある程度症状が改善し「ここに通ってよかった」と実感した段階が最適です。また、節目となる回復タイミングや施術計画の一区切りで声をかけると自然に受け入れられます。タイミングを見極めた依頼は、患者の満足を共有する行為として受け取られ、口コミが自然に広がるきっかけとなります。
口コミが増えない原因③ 情報発信や導線が弱い

ネット上で口コミが探しにくい状態
せっかく患者が好意的な気持ちを持っていても、口コミを投稿する場所や方法が分かりにくければ行動にはつながりません。Googleや口コミサイトに院の情報が整っていないと、検索で出てこないだけでなく「本当に信頼できるのか」という疑問を抱かせてしまいます。オンライン上で口コミが見つかりにくい状態は、新規患者にとっても不安要素になります。口コミが自然に広がらない背景には、こうした“発信の弱さ”があるのです。
SNSやLINEとの連動不足
現代の患者は来院体験をそのままSNSに書き込むことも多くあります。しかし、院側がSNSを活用していないと、口コミが広がる導線が断たれてしまいます。公式LINEに口コミ投稿ページへのリンクを設置したり、SNSで症例報告やセルフケア情報を発信したりすると、患者が感想をシェアしやすくなります。発信を継続することで「この院は信頼できる」という印象も高まり、口コミの増加につながります。
Googleビジネスプロフィールの最適化不足
口コミを増やすうえで欠かせないのがGoogleビジネスプロフィールの整備です。診療時間や写真が古いままでは印象が悪く、投稿したい気持ちも薄れます。最新情報を常に更新し、院内の雰囲気や施術の様子が伝わる写真を掲載することで、口コミ投稿の心理的ハードルは下がります。さらに、返信をこまめに行えば「この院は患者の声を大切にしている」という姿勢が伝わり、書く側のモチベーションを高めることができます。
改善策まとめ|口コミを増やして信頼される接骨院へ

本記事で紹介した失敗と改善策の振り返り
口コミが増えない背景には、患者体験を軽視してしまうこと、自然発生に任せてしまうこと、そして情報発信や導線の弱さがありました。技術に加えて説明や接遇を整えること、口コミ依頼の仕組みを作ること、そしてオンラインの情報を充実させること。これらを実行することで、患者の満足度は自然に高まり、口コミは広がりやすくなります。口コミは一度に大量に集めるものではなく、日々の積み重ねの中で生まれていく信頼の証です。
明日から実践できる口コミ促進の一歩
まずは小さな改善から始めましょう。施術後に「今日はここが良くなりましたね」と一言添えるだけでも患者の印象は変わります。次に、LINEや予約システムに口コミ投稿ページのリンクを設置すれば、行動のハードルが大きく下がります。そして、Googleビジネスプロフィールを最新の情報に更新し、写真を差し替えることはすぐにできる施策です。これらを一つずつ積み重ねれば、口コミは着実に増え、地域で信頼される接骨院へと成長していくでしょう。