初診からリピート率が変わる!接骨院・鍼灸院の問診で患者満足度を高める3つのコツ

ブログ監修者

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

【保有資格:医療経営士3級】

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初診で患者さんの信頼を得る問診の基本とは?

なぜ初診の問診がリピート率を左右するのか

初めて来院したとき、患者さんは「ここに任せて大丈夫だろうか」「きちんと話を聞いてもらえるだろうか」と、少なからず不安をかかえています。最初の問診は、その不安をへらし、「ここなら安心できそうだ」という気持ちをつくる大事な時間です。
丁寧な問診ができている院では、「話をよく聞いてくれた」「自分のつらさをわかってくれた」という印象が残りやすいです。この印象が、そのままリピートにつながります。逆に、症状だけを淡々と聞いてすぐベッドに案内してしまうと、「流れ作業のように感じた」「本当にわかってもらえたのか不安」という気持ちになりやすいでしょう。
問診の時間は、単に情報を集める作業ではありません。患者さんとのあいだに信頼のタネをまく時間だと考えることで、ことばの選び方や表情、聞く姿勢がすこしずつ変わっていきます。

患者さんが不安に感じやすいポイントを知る

問診をするとき、先生が思っている以上に、患者さんはさまざまな不安をかかえています。「この痛みの原因は何なのか」「どのくらいで良くなるのか」「運動は続けていいのか」「料金はいくらかかるのか」など、口には出さなくても、心の中ではたくさんの問いを持っています。
ところが、緊張していると、聞きたいことがあっても遠慮したり、「こんなこと聞いていいのかな」と思ってしまったりします。その結果、わからないまま帰ってしまい、「なんとなく不安が残る」という印象になりがちです。
接骨院・鍼灸院の問診では、この「言葉に出ていない不安」を意識することが大切です。症状の内容だけでなく、「いつからつらいのか」「どんなときに一番困るのか」「何がいちばん心配か」といったところまで聞いていくと、患者さんも「自分の生活ごと見てくれている」と感じやすくなります。こうした安心感が、満足度を高める土台になります。

聞く・確認する・まとめるの流れをつくる

問診の質を上げるためには、その場のノリや感覚だけにたよらず、「聞く → 確認する → まとめる」という流れをあらかじめ決めておくと安定しやすくなります。
まずは、「きょうはいちばんどんなことで困っておられますか?」と、今いちばんつらい点をしっかり聞きます。つぎに、「それはいつ頃からですか」「どの動きでいちばん痛みが強くなりますか」など、症状のようすや生活への影響を丁寧に確認していきます。ここで大事なのは、患者さんの言葉をくり返しながら聞くことです。「長時間すわっているとつらいのですね」と、言いなおしてあげるだけでも、「わかってくれている」という実感が生まれます。
最後に、「お話をまとめると、〇〇のときに△△な痛みが出て、仕事や家事にこういう影響が出ている状態ですね」と、先生の口から整理して伝えます。この「まとめ」のひとことがあるかどうかで、患者さんの安心感は大きく変わります。自分のつらさがきちんと理解されたと感じられれば、「この先生にまかせてみよう」という気持ちが生まれ、初診からリピートにつながりやすくなります。

患者満足度が上がる問診のポイントを理解する

ただ聞くだけでは足りない理由

問診では、患者さんの話を「聞く」ことがとても大事ですが、実はそれだけでは満足度は上がりません。表面的に聞いているだけだと、患者さんは「話した内容がそのまま流された気がする」と感じてしまいます。これでは、せっかく話してくれた情報が施術につながっていないように見えてしまい、不安が残ります。
また、ただ質問を並べるだけの問診になってしまうと、会話というより「チェック作業」のような印象になりやすいです。患者さんは、自分のつらさを理解してくれる相手に安心を感じるため、聞いた内容をどう受け止め、どう返すかがとても大きなポイントになります。
問診では、言葉だけでなく表情や声のトーンもふくめて、「あなたの話をしっかり聞いていますよ」という姿勢を伝えることが大切です。これができるようになると、患者さんの警戒心がすこしずつほどけていき、自然と本音が出やすくなります。

症状の背景を丁寧に引き出す聞き方

症状だけを聞いても、患者さんの本当のつらさにはなかなかたどりつけません。
たとえば「腰が痛い」という訴えでも、原因や生活のくせ、仕事内容によって、アプローチは大きく変わります。だからこそ、「どんなときにいちばんつらいか」「その症状のせいで何ができなくて困っているか」など、生活にそった質問を丁寧に重ねることが必要です。
このとき、急いで話をまとめようとすると、患者さんは「ちゃんと聞いてもらえていない」と感じやすいです。すこしゆっくりうなずきながら、「そうなんですね」「それは大変でしたね」と共感の一言を挟むだけで、患者さんの安心感はぐっと高まります。
症状の背景がつかめると、施術プランの説明もわかりやすくなります。「この痛みは長時間のすわり姿勢がひびいているようです」「家事で前かがみになる時間が長いので負担がふえているようです」など、日常とかかわる部分にふれると、患者さんは理解しやすくなります。

安心感を与えられる説明の伝え方

問診で集めた情報をふまえて、患者さんに説明をするときは「むずかしい言葉をつかわないこと」がとても大事です。専門的な用語をならべても、どれだけ丁寧に話したつもりでも、患者さんは理解しにくいまま不安だけが残ります。
説明をするときは、できるだけ具体的で、日常の行動に置きかえて話すと伝わりやすくなります。「筋肉が緊張している」というより、「無意識に力が入りっぱなしで、体がずっと休めていない状態です」と言いかえるだけでも、イメージがぐっとしやすくなります。
さらに、「いまの状態だと、こんな動きで痛みが出やすいと思います」「この施術をすると、まずここが楽になってきますよ」と未来の見通しを添えると、患者さんの不安はかなりへります。見通しがあると、「この院にまかせれば大丈夫」という気持ちが生まれやすくなるため、満足度にもつながりやすいです。

むずかしい言い方をやめる工夫

説明をするとき、つい専門的な言葉を使ってしまうことがあります。ですが、患者さんは医療の専門家ではないため、意味がわかりにくいまま聞き流してしまうことが多いです。「専門用語はなるべく使わない」「言いかえるとどう伝わるか」を意識するだけで、理解度は大きく変わります。
たとえば「炎症」という言葉がなじみのない患者さんには、「患部が熱を持っていたり、ふれて少し痛くなっている状態です」と伝えるだけで、ぐっとイメージしやすくなります。こうしたちょっとした工夫が、安心感につながります。

理解しているかを確認する一言

説明したあとに「ここまでで何かわかりにくいところはありませんか?」と聞くひとことはとても大事です。患者さんは、先生に気をつかって質問を我慢してしまうことがよくあります。このひとことがあるだけで、「遠慮せずに聞いていいんだ」と思ってもらえるため、不安をその場で解消しやすくなります。
小さな気づかいですが、これを続けることで「この院は丁寧に説明してくれる」という印象が積み重なり、満足度アップにつながります。

リピート率を高めるための3つの問診スキル

スキル①:悩みを引き出す質問のテンプレート

問診では、ただ質問をならべるだけでは患者さんの本音には届きません。リピートにつながる問診をするには「患者さんが話しやすくなる質問」を意図して使うことが大切です。
たとえば、初めに「きょうはどんなことで一番こまっていますか?」と聞くことで、その人の「いちばんつらい部分」が自然と出てきます。つぎに、「いつから続いていますか」「どんな動きで強くなりますか」と深い部分へゆっくり入っていくと、患者さんは自分の状況を丁寧に話しやすくなります。
さらに、生活面に関わる質問を少し加えると、表面だけでは見えない背景がつかめます。「仕事で長時間すわることはありますか」「家事で前かがみの時間は長いですか」など、負担の原因になりそうな習慣をさぐる言い方をすると、会話が自然に広がります。
悩みを引き出す質問を使うことで、患者さんは「自分のことをちゃんと見てくれている」と感じやすくなり、ここから信頼が生まれます。

スキル②:共感を伝えるリアクションのつかい方

問診で大切なのは、質問だけではありません。患者さんの話に対する「反応」も同じくらい重要です。「それは大変でしたね」「つらい状態が続いていたんですね」といった、共感のひとことをそえるだけで、患者さんの表情はやわらぎます。
これは、症状そのものに共感するというより、「その状態がどれだけ大変だったか」に寄りそっている姿勢を伝えるためのリアクションです。特別なテクニックではなく、うなずきながら相手のペースに合わせるだけでも、患者さんは安心します。
また、患者さんが話している内容を少し言いかえて返す「オウム返し」も、共感を伝えるうえで効果的です。「長時間すわっていると痛むんですね」と伝えるだけで、患者さんは「この先生はちゃんと聞いてくれている」と感じやすくなります。共感があると、初診でも信頼関係が早く育ち、リピートにつながる流れが自然にできていきます。

スキル③:施術のゴールを共有する方法

問診のあと、施術に入る前に「ゴール」を伝えておくと、患者さんの安心感は大きく変わります。症状が長く続いている人ほど、「どれくらい通えばよいのか」「どのくらいで楽になってくるのか」を知りたがっています。
たとえば、「まず一週間以内に痛みの強さを〇割ほどへらすことを目標にしましょう」「三回目くらいから動きが楽になると思います」と、具体的でイメージしやすい未来を示します。こうした言い方は、患者さんの不安をへらすだけでなく、「この院なら良くなりそうだ」という前向きな気持ちをつくります。
さらに、「状態によっては少し前後することがありますが、一緒に確認しながら進めていきましょう」と添えると、押しつけの印象がなくなり、患者さんとの協力関係ができます。この協力関係が生まれると、施術への納得度も高まり、自然とリピート率が安定していきます。

明日から実践できる問診改善のコツ

初診時に取り入れたいひとことの工夫

問診の質をすぐに上げたいとき、もっとも効果が出やすいのが「ひとことの工夫」です。たとえば、問診の最初に「きょうは来ていただいてありがとうございます。お体のこと、しっかり聞かせてくださいね」と伝えるだけで、患者さんは安心して話しやすくなります。
この短いやり取りは、患者さんの緊張をほぐし、「遠慮せずに話していいんだ」という雰囲気をつくります。たった数秒のことですが、この最初の空気づくりが、その後に話してくれる内容の深さを大きく変えます。
また、問診の終わりには「お話しくださってありがとうございました。しっかり施術で楽にしていきましょう」と伝えると、患者さんの心に安心が残ります。こうしたひとことの積み重ねが、満足度の高さへとつながります。

問診内容を施術につなげる流れのつくり方

問診で聞いた内容が、そのまま施術につながっていると患者さんは納得しやすくなります。反対に、聞いたことと施術の内容がバラバラだと「さっき話したことは何だったんだろう」と不安が残ってしまいます。
たとえば問診で、「長時間すわっていると腰がつらい」と聞いたなら、「では最初に座り姿勢で負担がかかっている部分をゆるめていきますね」と伝えるだけで、患者さんは「話した内容がちゃんと反映されている」と感じます。
このように、問診から施術への流れを意識して言葉で説明してあげるだけで、患者さんの納得度は大きく変わります。どの施術がどんな理由で必要なのかを理解しやすくなるため、「この院はていねいだ」「信頼できる」と感じてもらえるようになります。

スタッフ全員で統一する問診のルール作り

どれだけ院長が良い問診をしていても、スタッフごとにやり方がバラバラだと、患者さんは不安を感じてしまいます。院全体の信頼感を高めるためには、問診の基本ルールをスタッフ全員で共有しておくことが必要です。
たとえば、「最初のあいさつ」「症状を聞く順番」「共感のひとこと」「最後のまとめ方」など、最低限そろえておきたいポイントを決めておくと、対応が安定してきます。
ルールを整えることで、「誰が対応しても安心できる院」という印象につながり、患者さんの満足度もリピート率も安定しやすくなります。とくに忙しい時間帯や、スタッフ交代時の質のブレがへるため、院としての評価がぐっと上がります。

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