EMSとは?初心者でもわかる電気刺激療法の基礎と接骨院・鍼灸院での6つの効果

ブログ監修者

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

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EMSとは?電気刺激で筋肉を動かす仕組みをわかりやすく解説

EMSは、電気の刺激によって筋肉を意識せずに動かせる仕組みを持つ施術方法です。通常であれば、筋肉は脳から送られる信号によって収縮しますが、EMSはこの働きを外から補う形になります。弱い刺激から始めることで体に余計な負担をかけず、日頃使いづらい筋肉にも自然に力が入りやすくなる点が特徴です。とくに深い位置にある筋肉は自分で鍛えようと思っても難しいため、電気刺激によるサポートが大きな助けとなります。

EMS(筋電気刺激)の基本原理

筋肉は、電気の刺激を受けると自動的に縮む性質があります。EMSはこの特性を応用し、電気を皮膚の上から流すことで筋肉に働きかけます。刺激は体に害のない範囲で調整されており、筋肉の反応を見ながら強さやリズムを変えることで、狙った部位を正確に動かしやすくなります。自分で力を入れなくても筋肉が動き始めるため、普段使えない筋肉を安全に刺激できる点が支持されています。

電気刺激で筋肉が収縮するメカニズム

筋肉の周りには、電気信号を伝える神経が張り巡らされています。EMSの刺激が皮膚を通してこの神経に伝わると、脳からの指示がなくても筋肉が収縮します。意識して運動をしているときと似た状態が作られるため、弱った筋肉でも自然に働くようになります。関節を動かす必要がないため、痛みがある部位を無理に動かさなくて済み、リハビリやトレーニングの初期段階でも取り入れやすい方法です。

EMS機器の主な種類(低周波EMS・中周波EMSなど)

EMSには、主に低周波と中周波の2種類があります。低周波は皮膚の浅い部分の筋肉に強く働きかける傾向があり、ピリッとした刺激を感じやすいタイプです。一方、中周波は皮膚の抵抗を受けにくく、深い位置の筋肉に届きやすい特徴があります。目的に合わせて使い分けることで、効率良く筋肉を動かせます。治療院では、患者の状態に合わせて周波数を調整し、より心地よく効果が出るように設定していきます。

接骨院・鍼灸院でEMSが選ばれる理由

EMSは、体に大きな負担をかけずに筋肉を働かせられる点が評価され、接骨院や鍼灸院で広く導入されています。自分で動かしにくい筋肉でも安全に刺激できるため、痛みのある患者や体力の落ちている方にも使いやすい施術です。また、機器の設定を細かく調整できるため、症状や目的に応じた施術プランが作りやすいメリットがあります。施術中の姿勢が楽なことも、治療院で採用される理由のひとつです。

姿勢改善・体幹安定に役立つ施術

体幹の筋肉は、普段の生活では意識しにくく、鍛えようと思ってもなかなか継続が難しい部位です。EMSは電気刺激によって深い筋肉に働きかけるため、姿勢を支える力を効率よく引き出せます。骨盤まわりや腰の安定が高まることで、日常動作がスムーズになり、痛みが軽減することがあります。自分では動かしにくい部分がしっかり働くようになると、立ち方や歩き方にも良い変化が出やすくなる点が特徴です。

高齢者・痛みのある患者でも無理なく筋肉を動かせる

加齢やケガで弱ってしまった筋肉は、いきなり負荷をかけた運動を行うと痛みや疲労が出やすくなります。EMSは関節を大きく動かす必要がないため、体に優しい形で筋肉を刺激できます。電気の力で自然と筋肉が収縮するため、本人が力を入れずとも筋力の低下を防ぐ手助けになります。安全性が高く、短時間でも変化が感じられやすいため、リハビリの初期段階に取り入れられることが多い施術です。

運動療法との併用で相乗効果が出やすい

EMSで筋肉が働きやすい状態をつくったあとに運動を行うと、体の動きが安定し、トレーニングの効果が高まることがあります。施術と運動が組み合わさることで、筋肉の使い方が整い、痛みの出にくい体を作るサポートになります。治療院では、EMSを活かしたプログラムを組むことで、患者の状態に合わせて無理なく目標に近づけるよう工夫しています。こうした組み合わせができる点も、EMSが現場で高く評価される理由です。

EMSの6つの効果|現場で実感しやすいポイントを徹底解説

EMSは、筋肉を電気で動かすというシンプルな仕組みですが、体に与える効果は広い範囲に及びます。とくに治療院では、痛みを抱えて動きにくい患者から、体幹の弱さを改善したい方まで幅広く活用されており、その理由は「体に負担をかけず、必要な筋肉を効率良く働かせられる」ことにあります。ここでは、現場でよく実感される6つの効果についてわかりやすくまとめていきます。

効果1:筋力強化(インナー・アウター)

筋肉には、体を支える深い位置のインナーマッスルと、動きを生み出す表層のアウターマッスルがあります。EMSはこの両方に刺激を届けられるため、普段使いにくい筋肉でも自然に力が入るようになります。とくに体幹のインナーは、自分で意識して鍛えるのが難しいため、電気刺激によるサポートが大きな助けになります。筋肉が働き始めると、姿勢が整いやすくなり、動きの安定にもつながります。

効果2:筋萎縮の予防・改善

ケガや痛みで動かせない期間が続くと、筋肉は急速に細く弱くなってしまいます。EMSは、関節を大きく動かさずに筋肉を収縮させられるため、筋萎縮を防ぐ手段として非常に有効です。痛みがある部位を無理に動かす必要がないので、施術の初期から取り入れやすく、リハビリの進行を助ける役割も果たします。筋肉が少しでも維持されていると、復帰後の体の動きがスムーズになります。

効果3:疼痛軽減と血流促進

筋肉が軽く動くと、血液の流れが良くなり、硬さや痛みが和らぐことがあります。EMSによる収縮は、体の奥にある筋肉にも届きやすく、深い部分の血行不良が原因の痛みにもアプローチできます。血流が整うと、老廃物が流れ、筋肉の緊張が自然に緩みやすくなります。これにより、慢性的なこりやだるさが軽く感じられるケースも少なくありません。

効果4:関節周囲の安定化

関節を守るためには、その周りの筋肉がしっかり働くことが重要です。EMSは、細かい筋肉に直接刺激が届きやすいため、関節の支えが強まり、動きが安定するきっかけになります。膝や腰など、日常生活で負担がかかりやすい部位も、周囲の筋肉が整うことで動作がスムーズになります。無理なく筋肉を働かせられるので、運動が苦手な方でも取り入れやすい方法です。

効果5:姿勢改善・動作パターンの改善

姿勢が乱れる原因のひとつに「必要な筋肉がうまく働いていない」という状態があります。EMSで深い筋肉が自然に動き始めると、体を支える力が高まり、姿勢が整いやすくなります。また、筋肉の働きが改善されることで動作のクセが軽くなり、普段の歩き方や立ち方にも変化があらわれることがあります。姿勢が安定すると、体への負担が減り、痛みの出にくい状態へとつながります。

効果6:施術効果の持続性向上

EMSによって筋肉が働きやすい状態になると、整体や手技療法の効果が長く続くことがあります。施術を受けてもすぐに元の状態に戻ってしまう場合、筋肉がうまく働いていないことが原因となる場合が多いため、EMSの導入が役立ちます。筋肉が自力で支えられるようになると、良い姿勢や動きが定着しやすく、結果として施術の質が高まりやすくなります。

EMSはどんな症状・悩みに向いているのか?

EMSは、筋肉を安全に動かせることから、さまざまな症状や悩みに対応できる施術です。とくに「痛くて動かしにくい」「筋力が落ちてきた」と感じる方にとって大きな助けになります。体の状態は人によって異なるため、施術者が筋肉の働きを見ながら刺激を調整できる点も治療院で支持される理由です。ここでは、日常生活の中で悩みとして多いケースを取り上げ、EMSがどのように役立つのかをわかりやすく紹介します。

腰痛・膝痛など慢性痛へのアプローチ

腰や膝に痛みを抱える方は、痛む部位をかばう動作が続くことで筋肉が硬くなり、さらに動きにくくなることがあります。EMSは、関節をほとんど動かさずに筋肉を刺激できるため、痛みがある状態でも安全に使いやすい方法です。筋肉が軽く動くと血の巡りが整い、周辺の緊張が緩みやすくなります。筋力が戻り始めることで関節の支えが強まり、日常の動作が少しずつ楽になるきっかけをつくれます。

産後の体幹低下・姿勢の崩れ

出産後は骨盤まわりの筋肉が弱まり、体幹が不安定になることがよくあります。育児で前かがみの姿勢が増えることで、さらに筋肉が働きにくい状態になることも珍しくありません。EMSは、骨盤や腹部の深い筋肉に刺激を届けられるため、負担の少ない方法で体幹を整える助けになります。筋肉が支えとして働き始めると姿勢が安定しやすく、腰の重さや疲れを軽く感じられるケースもあります。

スポーツパフォーマンスの向上

スポーツでは、筋肉をうまく使えるかどうかが動きの質に大きく影響します。EMSで筋肉の働きが整うと、体幹の安定が高まり、力を出す方向がブレにくくなります。走る、跳ぶ、踏ん張るといった動作の安定性が向上し、フォームが乱れにくくなる点もメリットです。普段使いにくい筋肉が働き始めることで、ケガ予防にもつながるという考え方が広まり、競技者のケアにも活用されています。

高齢者の筋力低下対策

加齢により筋力が弱まると、歩行が不安定になり転倒のリスクが高まります。とはいえ、強い運動を急に始めると関節に負担がかかり、逆に痛みが出てしまうこともあります。EMSは体力が少ない方でも取り入れやすく、日常動作に必要な筋肉を優しく刺激できます。筋肉が少しでも動き始めると、立ち上がり動作や歩行の安定につながり、生活の質を保つためのサポートとして役立ちます。

EMSと他の電気刺激療法の違い|目的・作用の比較

電気刺激を使った施術は数多くあり、それぞれ目的や作用が大きく異なります。同じ“電気を使う治療”というイメージでも、筋肉を動かすもの、痛みをやわらげるもの、深部の組織に刺激を届けるものなど種類が分かれています。ここでは、治療院でよく使われるTENS、干渉波、ハイボルテージと比較しながら、EMSの特徴をわかりやすく解説します。違いを知ることで、自分に合った施術を選びやすくなります。

EMSとTENS(低周波治療)の違い

TENSは、痛みの感覚をやわらげることを目的とした施術です。皮膚の表面に近い神経に働きかけ、痛みの信号が脳に届きにくくなるようサポートします。一方、EMSは筋肉そのものを動かすことを目的としており、痛みを直接抑えるというより「筋肉が働くことで結果的に痛みが軽くなる」という流れになります。TENSが鎮痛に特化しているのに対し、EMSは筋力の改善や姿勢の安定に向いている点が大きな違いです。

EMSとIF(干渉波)の違い

干渉波は、異なる周波数の電気を体の中で交差させて刺激を作る仕組みです。この方法により、皮膚の抵抗を受けにくくなり、深い位置の筋肉や神経に刺激が届きやすくなります。痛みの軽減や筋肉の緊張を和らげる目的で使われることが多い施術です。EMSも深部に働きかけるタイプがありますが、干渉波は「筋肉を動かす」というより「硬さをやわらげて動きやすくする」ことが中心となります。この点で、両者の役割は大きく異なります。

EMSとHV(ハイボルテージ)の違い

ハイボルテージは、高い電圧を短い時間で出力することで、痛みの原因となる部分に直接近づくように刺激を届ける施術です。皮膚への刺激が少なく、深い位置の組織に電気が届きやすいため、急性の痛みや炎症が強いケースにも使われます。一方、EMSは筋肉そのものを収縮させるため、炎症が強い時期には刺激を調整することが必要になります。目的が全く異なるため、症状に応じて選び分けることが重要です。

各電気刺激の使い分け方

それぞれの施術には得意な分野があり、症状に合わせて使い分けることで効果が高まりやすくなります。痛みが強い時期にはTENSやハイボルテージが適し、筋肉の硬さが気になる場合は干渉波が選ばれることが多くなります。筋力を上げたい、姿勢を整えたいといった目的がある場合には、EMSが最も適した方法になります。患者の状態を見極めながら、それぞれの特徴を組み合わせることでより良い施術プランを提供が可能となります。

emioの治療器営業担当は全員が物理療法機器メーカー出身者ですので、様々なケースに最適な提案を行っております。
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