電気治療器は“医療認可の有無”で何が変わる?治療効果とリスクをわかりやすく比較

ブログ監修者

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

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医療認可とは何か?電気治療器における基礎知識

医療機器として認められるための基準

電気治療器が「医療機器」として扱われるためには、国が定める基準をクリアする必要があります。単に「電気が流れる機械」だから医療機器というわけではなく、「人のからだに使っても安全か」「ねらった効果がきちんと得られるか」という点について、客観的なデータと試験結果が求められます。電気治療器であれば、電流の強さや波形が適切か、過負荷がかかったときに危険な動きをしないか、長時間使用してもやけどやトラブルが起こらないかなど、多くの項目がチェックされます。この過程を経て、はじめて「医療機器」として市場に出ることが許されます。

認証番号・承認番号の意味

医療認可を受けた電気治療器には、「医療機器認証番号」や「医療機器承認番号」といった番号が表示されています。これは、その機器が国のルールに基づいて審査され、医療機器として正式に認められていることを示す印です。番号そのものは一見分かりにくいですが、「この機械は医療目的で使ってよい」と国が許可した証拠だと理解しておくとよいでしょう。治療院で導入を検討する際には、カタログや本体ラベルにこの番号が記載されているかを確認することが、機器選びの第一歩になります。

医療機器と家庭用機器の法的な違い

医療機器と家庭用機器の大きな違いは、「使ってよい目的」と「守らなければならないルール」の範囲です。医療機器は、痛みの軽減や機能回復など、治療を目的として使うことが認められていますが、そのぶん製造や販売、管理に厳しい規制がかかります。一方、市販のEMSやマッサージ機などの家庭用機器は、あくまで美容やリラクゼーション、運動補助などが目的であり、「治療効果」をうたってはいけません。治療院で家庭用機器を医療行為のように使ってしまうと、法律上の問題に発展するおそれもあります。この法的な線引きを理解しておくことが、トラブルを避けるうえでとても重要です。

医療認可ありの電気治療器の特徴とメリット

安全性が保証される理由

医療認可を受けた電気治療器は、使用中に危険が生じないよう厳しい基準で作られています。電流が急に強くなったり、機器が誤作動したりして身体に負担を与えないよう、内部構造から回路設計まで細かく検査されます。過熱や漏電を防ぐための仕組みも必ず備えられ、万が一の状況でも安全性が確保されるように設計されています。こうした基準を満たすことで、治療院で日常的に使っても安心できるレベルの安全性が保証されるのです。

効果の再現性と臨床データ

医療認可品の電気治療器は、治療効果に関するデータが明確で、どの患者にも一定の結果が得られるよう設計されています。出力のムラが少なく、同じ設定であれば同じ刺激が再現されるため、治療の質が安定しやすくなります。また、臨床試験などで効果が評価されているため、治療者は「なぜこの機器を使うのか」を患者に説明しやすく、安心感のある治療につながります。結果として、治療計画が立てやすく、治療の見通しを共有しやすいことが大きなメリットになります。

深部アプローチが可能になる仕組み

医療認可の電気治療器は、表面だけでなく深部の組織にアプローチできるよう工夫されています。これは、高い出力を安定して流せることと、身体に負担をかけずに奥まで電気を届ける波形設計によるものです。筋肉の厚い部位や、関節の奥にある組織でも刺激を届けることができるため、慢性痛や深層筋のこわばりなど、幅広い症状に対応しやすくなります。

出力の安定性

医療用の機器は、設定した電流が時間の経過とともに変動しないよう精密に制御されています。これにより、治療の途中で刺激が急に弱くなったり強くなったりすることがなく、患者が安心して治療を受けられるというメリットがあります。

電流の通り方の違い

医療機器は、身体の深い層へ電気を通しやすい中~高周波帯の刺激を使えるため、表面の皮膚刺激を抑えながら奥の組織までアプローチできます。家庭用機器では難しい、深層へ届く刺激を安全に届けられる点が大きな特徴です。

医療認可のない電気刺激機との違いを比較

家庭用EMS・マッサージ機の位置づけ

医療認可のない電気刺激機は、あくまで「家庭用の一般機器」として開発されています。目的はリラクゼーションや筋肉の軽い運動補助であり、治療を目的にした作りではありません。そのため、出力や刺激の入り方は控えめに設計されており、体への負担をできるだけ避ける方向で作られています。安全性を確保するため、医療用と比べて電流の強さや波形の種類には制限があり、深部へのアプローチは難しくなります。

家庭用機器は誰でも簡単に使えることを優先するため、症状や状態に合わせて細かな設定を変えることはほとんどできません。あくまで「セルフケアの補助」として位置づけられている点が、医療機器との大きな違いです。

治療目的で使用できない理由

家庭用の電気刺激機が治療に使えないのは、効果の保証や安全性の検証が医療機器レベルでは行われていないためです。痛みの軽減や機能回復といった医療行為に使用するには、国が定める厳しい基準をクリアする必要がありますが、家庭用機器はその基準を満たすことを求められていません。

また、治療目的で使用すると、法律上「医療機器としての扱いが必要な行為」に分類されるため、製造販売業者にも使用者にも法的な問題が生じるおそれがあります。治療院で家庭用機器を使って施術することは、意図せずトラブルにつながる危険があるため慎重な判断が必要です。

使用できる刺激の範囲と限界

家庭用機器は、強すぎる刺激によるケガを防ぐために、出力が低く設定されています。深い組織に働きかけるには十分な電流量が必要ですが、一般機器ではそれを確保できないことが多く、表面の筋肉が軽く動く程度の刺激にとどまります。低周波の刺激が中心であることも多く、皮膚でビリビリしやすく、奥に届く刺激にはなりにくい特徴があります。

出力の制限

家庭用機器では、刺激が安全基準を超えないよう出力が小さく固定されています。このため、「深部の筋肉に届く感じがしない」「治療院の電気とはまったく違う」という印象を持つ人が多いのは自然なことです。

安全基準の違い

医療機器は治療で使われることを前提に、誤作動や異常電流に対して厳しい基準をクリアしていますが、家庭用機器はそこまでの検証は求められません。機器が壊れた際にどのような影響が出るかの検証も限定的であり、この点でも医療機器とは大きな差があります。

効果・安全性・出力の観点から見る“決定的な差”

深達性と刺激質の違い

医療認可のある電気治療器と家庭用機器の最大の違いは、どれだけ深い組織にアプローチできるかという点です。医療機器は深部まで電気を届けるために、波形や出力が緻密に調整されており、厚みのある筋肉や関節周囲の組織にも安定した刺激を与えられます。一方、家庭用機器は安全性を優先して出力が弱く、表面の筋肉が軽く動く程度にとどまり、深層筋や関節の奥に届くような刺激は得にくくなります。

刺激の質にも明確な差があり、医療機器は電流が滑らかに流れるよう制御されているため、奥に届きながらも不快感が少ない特徴があります。家庭用機器では皮膚の表面がビリビリしやすく、治療のような響きを感じにくいことが多く、それが治療効果の違いにつながります。

リスク管理・副作用リスクの差

医療認可を受けた機器は、患者の身体に異常が起きないように過負荷や誤作動を防ぐ仕組みが組み込まれています。電流が急に強くなることを防ぐ安全装置や、内部温度が上がりすぎないよう管理する回路など、多くのリスク対策が義務づけられています。このため、日々の治療で長時間使用してもトラブルが起こりにくい設計になっています。

一方、家庭用機器には医療レベルのリスク管理は求められていません。刺激が急に変動したり、皮膚トラブルが起こるケースもあり、治療目的で使うには安全性が不足していることがあります。体質や症状によっては逆効果になることもあり、医療現場での使用には向いていません。

トラブルが起こりやすいケース

家庭用機器を治療目的で使用すると、想定外のトラブルが発生しやすくなります。出力が不安定なため、刺激が急に強くなって痛みが出たり、表面の皮膚が赤くなったりすることがあります。また、深部に届く刺激が得られないため、症状に変化がなく「効いていない」と感じるケースも少なくありません。さらに、治療効果を誤って説明してしまうと、患者とのトラブルや信頼関係の悪化につながるおそれもあります。

医療認可のある機器ではこれらの問題が起こりにくく、治療として使用するための安全性と効果が担保されています。ここが両者を比較した際の決定的な違いといえるでしょう。

治療院が機器を選ぶ際に押さえるべきポイント

認証番号の確認方法

電気治療器を導入する際には、「医療機器認証番号」または「医療機器承認番号」が本体やカタログに明記されているかを必ず確認することが重要です。これらの番号は、その機器が国の審査を受け、安全性と有効性が認められた証となります。番号が記載されていない機器は治療目的で使用できず、法的なトラブルを招く可能性もあります。治療院として信頼を守るためにも、正規の認可を受けた機器かどうかの確認は欠かせません。

患者層に合わせた機器選びの考え方

患者の年齢や症状、刺激の好みなどに応じて、適した機器を選ぶことも大切です。高齢者や刺激に敏感な方が多い院では、刺激をやわらかく制御できる医療機器が必要になります。一方、スポーツ疾患や深部筋へのアプローチが求められる院では、出力が安定し深達性に優れた機器が効果を発揮します。どのような患者が多く来院しているかを把握し、そのニーズに応える性能を持つ治療器を選ぶことで、施術の満足度が大きく高まります。

誤った機器選択によるリスクと注意点

医療認可のない家庭用機器を治療目的で使用してしまうと、患者に効果が出ないだけでなく、痛みや皮膚トラブルといった予想外の問題が生じることがあります。また、治療効果の説明に誤解が生まれやすく、クレームにつながるケースもあります。さらに、法律上問題となる可能性もあり、院の信用に大きな影響を与えるおそれがあります。治療院では、医療認可の有無を最優先に考え、適した性能を備えた機器を選ぶことがとても重要です。

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