クレームで落ち込む院長ほど読んでほしい「自己肯定感」の話
ブログ監修者
プランナー
棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)
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Contents
接骨院経営における自己肯定感とは何か

接骨院の院長は、施術者であり経営者でもあります。患者対応、スタッフ対応、売上、口コミ、そしてクレームまで、毎日いくつもの判断を迫られます。そんな中で心の土台になるのが「自己肯定感」です。自己肯定感が安定していると、出来事に振り回されにくくなり、落ち着いて次の一手を選びやすくなります。逆に揺らいでいると、たった一件のクレームが、その日の気分だけでなく経営判断まで乱してしまうことがあります。
自己肯定感と「自信」の違い
自己肯定感は「自信」と似ていますが、実は役割が違います。自信は、うまくいった経験や結果によって高まりやすいものです。たとえば「この施術は得意だ」「今月は売上が良い」といった手応えがあるときに増えます。一方で自己肯定感は、結果が良い日だけに働くものではありません。売上が落ちた日や、思わぬクレームを受けた日でも、「それでも自分は立て直せる」「自分の価値がゼロになったわけではない」と支えてくれる感覚です。
院長業は、結果が波打つ仕事です。忙しい日もあれば、急に予約が空く日もあります。だからこそ、結果と一緒に上下する“自信”だけに頼ると、心が疲れやすくなります。自己肯定感は、その波の中でも沈み切らないための浮き輪のようなものだと考えると分かりやすいです。
自己肯定感と経営判断の関係
自己肯定感が安定している院長は、クレームが来たときも「何が起きたか」を整理できます。感情は揺れますが、揺れたまま結論に飛びつきにくいのが特徴です。必要な確認をして、謝るべき点があれば誠実に謝り、改善すべき点があれば手を打つ。結果として、対応が丁寧になり、院の信頼を守りやすくなります。
反対に、自己肯定感が落ちていると、クレームの内容以上に「自分が否定された」という感覚が先に立ちます。すると、必要以上に値引きで収めようとしたり、逆に感情が出てしまって言葉が強くなったりします。どちらも、院の印象を悪くするリスクがあります。つまり自己肯定感は、メンタルだけの話ではなく、経営判断のブレ幅を小さくする要素でもあります。
なぜ院長にこそ必要なのか
スタッフなら、辛いときに院長へ相談できます。ところが院長は、相談できる相手が院内にいないことも多いです。さらに「院長がしっかりしていないと」と自分に言い聞かせ、弱音を出しにくくなります。その状態でクレームが重なると、心の逃げ道がなくなってしまいます。
接骨院経営は、技術や集客だけでは続きません。院長が揺れると、院内の空気も揺れます。言葉のトーン、判断のスピード、スタッフへの接し方、患者への説明の丁寧さまで、少しずつ変わります。だからこそ、院を守るためにも、まず院長自身の自己肯定感を整えておく価値があります。
なぜクレームで院長の自己肯定感は揺らぐのか

クレームがつらいのは、内容そのものよりも「心に刺さる構造」があるからです。接骨院の院長は、自分の技術や人柄を前面に出して仕事をしています。そのため、施術への不満は単なる業務上の指摘ではなく、自分自身への評価のように感じやすくなります。ここに、自己肯定感が揺れる理由があります。
クレームを人格否定と結びつけてしまう心理
患者から「思ったより良くならなかった」と言われたとき、本来は施術内容や説明の工夫を見直す話です。しかし心が疲れていると、「自分は信頼されていないのではないか」と受け取りやすくなります。出来事と自分の存在を結びつけてしまうと、必要以上に落ち込みます。
出来事と自己価値を混同するメカニズム
人は、自分が力を入れている分野ほど評価に敏感になります。接骨院経営はまさにその代表例です。努力や時間をかけてきた分、否定的な言葉が強く響きます。だからこそ、出来事と自己価値を分けて考える視点がないと、心が削られていきます。
売上=自分の価値になってしまう構造
個人経営の接骨院では、院長の名前がそのまま院の看板です。売上が伸びれば誇らしく感じ、落ちれば自信が揺らぐ。数字がそのまま自己評価に直結しやすい環境です。この構造が、クレームをより重く感じさせます。
個人経営特有のプレッシャー
会社組織と違い、責任の最終地点が自分一人に集まります。スタッフの教育、広告費の判断、施術方針の決定など、すべてが院長の選択です。だからこそ、患者からの不満は「自分の判断が間違っていた」という重さを持ちやすくなります。
口コミ社会がメンタルに与える影響
今は口コミが公開される時代です。以前であれば直接のやり取りで終わっていた不満が、ネット上に残ります。その可視化が、院長の不安を増幅させます。数字や星の数はシンプルですが、心への影響は単純ではありません。
可視化された評価が不安を増幅させる理由
評価が常に見える場所にあると、無意識に確認してしまいます。良い口コミは安心材料になりますが、否定的な言葉は何度も思い返してしまいます。この繰り返しが、自己肯定感を少しずつ削る要因になります。
自己肯定感が接骨院経営に与える具体的な影響

自己肯定感は気持ちの問題に見えますが、実際には経営のさまざまな場面に表れます。院長の心の安定度は、対応の仕方、価格の決め方、スタッフとの関係、そして院の将来設計にまで影響します。ここでは、日々の経営で起こる違いを整理します。
クレーム対応力の違い
自己肯定感が整っている院長は、クレームを受けたときに事実確認から入ります。何が起きたのか、どの部分に誤解があったのかを丁寧に見ます。必要があれば謝り、改善点があれば修正します。その姿勢は患者にも伝わり、信頼を回復しやすくなります。
一方で、心が不安定だと防御的になりやすいです。言い訳が多くなったり、逆に過剰に譲歩してしまったりします。どちらも院の軸を弱くします。対応の質は、心の安定と強く結びついています。
価格設定・自費移行への決断力
価格を上げる、自費メニューを強化する、といった判断は勇気がいります。自己肯定感が整っていれば、「自院の価値に見合う設定かどうか」を基準に考えられます。周囲の反応は参考にしつつも、最終的な軸は自分の中にあります。
逆に、自分の価値を信じきれないと、必要以上に安い設定を続けてしまいます。短期的には安心でも、長期的には体力を削ります。価格は数字ですが、その背景には院長の自己評価が映ります。
スタッフマネジメントへの影響
院長の心理状態は、院内の空気に出ます。自己肯定感が安定していると、注意や指導も落ち着いて行えます。人格ではなく行動に焦点を当てて話せるため、スタッフとの関係が健全に保たれます。
不安定な場合は、必要な指摘を避けたり、逆に感情が強く出たりします。その結果、スタッフが萎縮したり、距離が生まれたりします。組織の雰囲気は、院長の内面と無関係ではありません。
集客・情報発信への積極性
ホームページの更新、SNS発信、地域活動への参加など、接骨院経営では外へ出る動きが求められます。自己肯定感が整っていると、批判を恐れすぎずに発信できます。挑戦回数が増えることで、結果もついてきやすくなります。
心が揺れていると、「否定されたらどうしよう」という思いが先に立ち、行動が止まります。動かない時間が長くなるほど、不安は大きくなります。
長期的な経営安定性
経営は短距離走ではありません。繁忙期もあれば、思うようにいかない時期もあります。自己肯定感が安定している院長は、波を前提に計画を立てます。焦って方向転換せず、軸を持って進みます。
揺れやすい状態では、その都度方針が変わり、スタッフや患者も戸惑います。長く続く院と不安定な院の差は、表に見えない部分にあります。
クレームに振り回されない院長になるための思考法

クレームをゼロにすることは現実的ではありません。大切なのは、受けたときにどう受け止めるかです。ここでの思考の差が、心の消耗度を大きく変えます。院長という立場だからこそ、意識して整えておきたい視点があります。
問題と自己価値を分けて考える
クレームは「起きた出来事」に対する反応です。そこに自分の存在価値まで重ねてしまうと、必要以上に傷つきます。施術の一部、説明の仕方、待ち時間など、改善できる要素は具体的です。それらを一つずつ切り分けて見ることで、心の負担は軽くなります。
「今回はどこを直せるか」と問い直すだけでも、視点は前に向きます。自分を裁く時間を、改善に使う姿勢が、結果として院を強くします。
クレームを「改善データ」として扱う
耳の痛い意見ほど、価値があります。もちろん理不尽なものもありますが、そこにもヒントが隠れていることがあります。感情で処理せず、事実を拾い上げる習慣があると、クレームは単なるマイナスではなくなります。
記録を残し、共通点を探ると、院の弱点が見えてきます。データとして扱うことで、心の重さは少し軽くなります。
感情と経営判断を切り離す習慣
クレーム直後は、どうしても気持ちが動きます。その状態で価格変更や方針転換を決めると、後悔につながりやすいです。まずは時間を置く、第三者の意見を聞くなど、即断を避ける仕組みを持つことが役立ちます。
すぐに結論を出さないルールを持つ
「大きな決定は翌日にする」「必ず一度書き出す」といった自分なりのルールを決めておくと、感情に流されにくくなります。院長の落ち着きは、院全体の安心感につながります。
接骨院の院長が自己肯定感を整える実践ステップ

自己肯定感は、一度整えたら終わりではありません。経営環境が変われば揺れることもあります。だからこそ、日々の中で少しずつ安定させる工夫が必要です。特別な方法ではなく、続けられる形にすることが大切です。
成果ではなく「行動」に焦点を当てる
売上や来院数は結果です。そこだけを見続けると、気分も一緒に上下します。今日やると決めた行動をやれたかどうかに目を向けると、評価の軸が自分の内側に戻ります。結果は後からついてくると考えられるようになると、心は安定しやすくなります。
小さな成功体験を記録する
感謝の言葉や改善事例は、忙しさの中で流れていきます。意識して書き留めておくと、自院の価値を客観的に見直せます。落ち込んだときに振り返る材料があるだけで、立ち直りは早くなります。自分を励ます証拠を持っておく感覚です。
経営理念・目的を言語化する
なぜこの院を続けているのか、誰のために存在しているのかを言葉にすると、外からの評価に振り回されにくくなります。軸がはっきりすると、一つのクレームで方向を見失うことが減ります。理念は飾りではなく、心を支える柱になります。
外部の視点を取り入れる
院長は孤独になりやすい立場です。同業の勉強会や経営仲間、専門家との対話は、視野を広げます。自分だけの基準で考え続けると、視点が狭くなります。外の意見を取り入れることで、過度な自己否定を防ぎやすくなります。
勉強会・経営仲間・専門家の活用
定期的に話せる場を持つだけでも、心の負担は軽くなります。経営の悩みを共有すると、「自分だけではない」と気づけます。その安心感が、自己肯定感の安定につながります。
まとめ
クレームで落ち込む院長ほど読んでほしい「自己肯定感」の話は、単なるメンタル論ではありません。接骨院経営において、自己肯定感は判断の質や行動量を左右する土台です。揺らぐ理由を理解し、影響を知り、考え方と習慣を整えることで、クレームに振り回されない経営が見えてきます。
技術や集客も大切ですが、それを支えるのは院長自身の安定です。院の未来を守るために、まず自分の土台を整えることから始めてみてはいかがでしょうか。


