【整骨院・中小企業向け】春闘の結果で最低賃金はどう変わる?2026年の対策
ブログ監修者
プランナー
棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)
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Contents
2026年春闘の結果と賃上げ動向

2026年春闘の賃上げ率はどの水準か
2026年春闘は、2026年3月18日時点の連合公表資料を見ると、要求段階で平均5.94%となっており、前年の同時期をやや下回りつつも高い水準を維持しています。大手企業では集中回答日に満額回答や高水準回答が相次いでおり、2026年も日本全体として賃上げ基調が続いていると見てよい状況です。
なぜ賃上げは続いているのか(背景)
賃上げが続いている背景には、物価上昇への対応だけでなく、人手不足の深刻化があります。連合の2026年春闘方針では、物価を上回る賃上げを定着させる必要性が示されており、ロイターの2026年3月調査でも、企業の7割が前年以上の賃上げを検討していると報じられています。つまり2026年の賃上げは、一時的な対応というより、人材確保のための経営判断として広がっているのが実態です。
中小企業と大企業の賃上げ格差
一方で、すべての企業が同じように賃上げできるわけではありません。連合の要求集計では、300人未満の中小組合の要求率は6.64%と高く、賃上げへの意欲は強いことがうかがえます。ただし、実際の交渉では価格転嫁力や収益体力に差があるため、大企業と中小企業では実現できる賃上げ幅に開きが出やすくなります。この差は、今後の最低賃金引上げ局面で、整骨院や地域の中小企業により大きな負担として表れやすい点に注意が必要です。
春闘の結果が最低賃金に影響する仕組み

最低賃金はどのように決まるのか
最低賃金は、厚生労働省の審議会によって毎年見直されます。その際に重視されるのが、労働者の生活費だけでなく、企業の支払い能力や地域ごとの賃金水準です。つまり単純に「物価が上がったから上がる」という仕組みではなく、社会全体の賃金の動きが重要な判断材料となります。その中でも特に影響が大きいのが春闘です。
春闘の賃上げが最低賃金に反映される理由
春闘によって大企業を中心に賃上げが進むと、世の中の平均賃金が引き上がります。そうなると、最低賃金との差が広がりすぎないように調整が必要となり、結果として最低賃金も引き上げられます。つまり春闘は、最低賃金を直接決める制度ではないものの、実質的には引上げの方向性を決定づける重要な要因といえます。
最低賃金と市場賃金の関係
近年は、最低賃金だけでなく実際の求人時給も上昇しています。人手不足が続く中で、企業は最低賃金を基準にしながらも、それ以上の条件を提示しなければ人材を確保できません。そのため最低賃金は「下限」ではなく「実質的なスタートライン」として機能し始めています。この流れが続くことで、最低賃金の引上げは企業全体の人件費を押し上げる要因となっていきます。
2026年10月の最低賃金はどこまで上がるのか

過去の最低賃金推移と上昇トレンド
ここ数年の最低賃金は、毎年過去最高の引上げが続いています。特に直近では上げ幅が拡大しており、単なる緩やかな上昇ではなく「加速的な賃上げ局面」に入っているのが特徴です。この背景には、物価上昇だけでなく、慢性的な人手不足と賃上げ政策の強化があります。そのため、最低賃金は今後も上昇基調が続くと考えるのが自然です。
2026年の最低賃金引上げ予測
2026年についても、春闘で高水準の賃上げが続いていることから、最低賃金の大幅引上げが見込まれます。全国平均では1,200円前後に近づく可能性があり、上げ幅としても過去と比較して大きな水準になると予測されています。これは企業にとって、これまで以上に人件費の増加を意識しなければならない局面といえます。
地域別で見た影響の違い
最低賃金は全国一律ではなく、地域ごとに設定されています。そのため、都市部と地方では影響の出方に違いがあります。都市部ではすでに高い水準にあるため上げ幅は一定に収まる傾向がありますが、地方では水準の引き上げ余地が大きく、結果として急激なコスト増につながるケースも少なくありません。整骨院のような地域密着型の事業では、この地域差を踏まえた対応が重要になります。
整骨院・中小企業への影響と経営リスク

人件費増加による利益圧迫
最低賃金の引上げは、パートや受付スタッフの時給に直接影響します。その結果、人件費は確実に増加し、利益を圧迫する要因となります。特に整骨院のように保険診療の割合が高く、価格を自由に上げにくい業態では、売上が変わらないままコストだけが増える構造になりやすく、経営への影響はより大きくなります。
賃金の逆転現象と離職リスク
最低賃金が上がることで、新しく入ったスタッフと既存スタッフの給与差が縮まる、いわゆる賃金の逆転現象が起こりやすくなります。この状態を放置すると、長く働いているスタッフの不満が高まり、離職につながる可能性があります。結果として、単に人件費が増えるだけでなく、人材の安定確保にも影響が出てきます。
採用難と人材獲得競争の激化
最低賃金の上昇は、求人市場にも影響を与えます。求職者はより高い時給の職場を選ぶようになるため、従来の条件では応募が集まりにくくなります。その結果、採用単価が上がり、採用活動そのものが難しくなる傾向が強まります。整骨院のように人材に依存する業態では、この影響は無視できません。
賃上げできない企業のリスク
最低賃金には対応できても、それ以上の賃上げができない企業は、人材確保の面で不利になります。結果として、優秀な人材が流出しやすくなり、サービスの質低下や売上減少につながる可能性もあります。これからは「最低限守る」だけではなく、「選ばれる水準」を意識した賃金設計が求められる時代に入っています。
最低賃金引上げに対応するための具体的対策

単価アップと自費比率の見直し
人件費の上昇に対応するためには、売上の構造を見直すことが欠かせません。特に整骨院では、保険診療だけに依存するのではなく、自費メニューの強化や単価の見直しが重要になります。付加価値の高い施術やサービスを提供することで、価格に見合った納得感を生み出し、無理のない形で売上を伸ばすことが可能になります。
業務効率化によるコスト削減
人件費が上がる中では、同じ人数でも生産性を高める取り組みが求められます。受付業務の見直しや予約管理の効率化、無駄な作業の削減など、小さな改善の積み重ねがコスト圧縮につながります。結果として、人件費の増加分を吸収しやすい体制を整えることができます。
補助金・助成金の活用
設備投資や業務改善を行う際には、補助金や助成金の活用も有効です。自己負担を抑えながら設備やシステムを導入できるため、効率化と収益改善を同時に進めることができます。特に中小企業や整骨院にとっては、経営負担を軽減する重要な手段となります。
賃上げを前提とした経営設計
これからは賃上げを一時的な対応ではなく、継続的に行う前提で経営を考える必要があります。そのためには、利益が残る仕組みをあらかじめ設計しておくことが重要です。売上の伸ばし方とコスト管理をバランスよく組み合わせることで、賃上げと経営の安定を両立することができます。
最低賃金引上げに対する事業者の負担軽減として、国が行っている助成制度が業務改善助成金です。
2025年度までの申請要件など、過去記事で解説しております。合わせてご覧ください。
👉https://emio.jp/category/gyoumukaizenn-jyoseikinn/


