雇用保険とは?加入条件・保険料をわかりやすく解説
ブログ監修者
プランナー
棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)
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Contents
雇用保険とは?制度の基本概要

雇用保険の目的と役割
雇用保険とは、従業員が失業したときや、育児・介護などで一時的に働けなくなったときに、生活や再就職を支えるための公的な保険制度です。会社が任意で入る民間保険ではなく、条件を満たす従業員を雇用している場合には、原則として加入が必要になります。
雇用保険というと、「退職したときにもらえる失業手当」を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、失業時の支援だけでなく、育児休業中の給付や、仕事に必要な知識・技術を身につけるための教育訓練給付など、働く人を幅広く支える役割があります。
特に小規模な事業所では、「パートだから関係ない」「短時間勤務だから不要」と考えてしまうケースがありますが、雇用形態だけで判断するものではありません。厚生労働省の案内では、週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがある労働者は、原則として雇用保険の被保険者になるとされています。
どのようなときに給付を受けられるのか
雇用保険で受けられる給付には、いくつかの種類があります。代表的なものは、退職後に再就職活動を行う人を支える基本手当です。一般的には「失業手当」と呼ばれることが多く、離職後の生活を支える重要な制度です。
また、育児休業を取得する場合には育児休業給付、介護のために休業する場合には介護休業給付を受けられることがあります。さらに、仕事に役立つ資格取得やスキルアップを支援する教育訓練給付もあります。
経営者側から見ると、雇用保険は単なる保険料負担ではなく、従業員が安心して働くための土台ともいえます。従業員にとっては、万が一の失業時や育児・介護などの場面で支えになる制度であり、事業所にとっても雇用環境を整えるうえで重要な仕組みです。
なお、令和8年度の一般の事業における雇用保険料率は、労働者負担が0.5%、事業主負担が0.85%とされています。詳しい計算方法は後述しますが、まずは「条件を満たす従業員を守るための公的制度」と理解しておくとよいでしょう。
雇用保険の加入条件と対象となる従業員

加入が必要となる基本条件
雇用保険は、すべての従業員が対象になるわけではなく、一定の条件を満たした場合に加入が必要となります。基本となるのは、「働く時間」と「雇用の見込み期間」の2つです。
具体的には、週の所定労働時間が20時間以上であり、31日以上の雇用が見込まれる場合は、原則として雇用保険に加入しなければなりません。これは正社員だけでなく、パートやアルバイトにも当てはまる条件です。
この基準を満たしているにもかかわらず未加入のままにしていると、本来受けられる給付が受けられなくなるだけでなく、事業主側にもリスクが生じます。まずは自社の従業員がこの条件に該当しているかを確認することが重要です。
パート・アルバイトは加入対象になるのか
「パートやアルバイトは雇用保険に入らなくてもよい」と考えている経営者は少なくありませんが、実際には雇用形態ではなく労働条件によって判断されます。
たとえば、1日4〜5時間勤務で週5日働いている場合、週20時間を超えることが多く、この時点で加入対象となる可能性があります。また、最初は短期間の予定でも、結果として31日以上雇用が続く見込みがある場合は、加入が必要になります。
このように、日常的に働いているパートスタッフの多くが対象になるケースも珍しくありません。雇用形態で判断せず、勤務時間と雇用期間で判断することが大切です。
対象外となるケース
一方で、すべての従業員が対象になるわけではなく、条件を満たさない場合は加入対象外となります。
代表的なのは、週の労働時間が20時間未満のケースです。短時間勤務のスタッフや、スポット的に勤務する人は対象外になることがあります。また、31日以上の雇用見込みがない短期雇用の場合も、原則として対象外となります。
さらに、会社の役員のみで構成されている場合など、労働者としての性質が認められない場合も対象にはなりません。
このように、対象になるかどうかは細かい条件によって判断されるため、「なんとなく対象外だろう」と決めつけるのではなく、具体的な勤務状況に基づいて確認することが重要です。
雇用保険の保険料と計算方法

保険料の仕組み(労働者負担・事業主負担)
雇用保険の保険料は、従業員と事業主の双方が負担する仕組みになっています。給与から従業員分が天引きされ、事業主はそれに加えて自社負担分を納めます。
令和8年度の一般的な事業では、労働者負担が0.5%、事業主負担が0.85%とされており、合計で1.35%の保険料がかかります。この割合は、給与の総支給額に対して計算されるため、基本給だけでなく各種手当も含めた金額が対象となります。
「保険料が高いのではないか」と不安に感じる方もいますが、実際にはそれほど大きな負担ではありません。むしろ、万が一の際に従業員を支える制度としての役割を考えると、必要なコストといえるでしょう。
保険料の計算方法と具体例
保険料はシンプルに、給与額に保険料率を掛けて計算します。たとえば、月給20万円の従業員がいる場合、以下のようになります。
| 区分 | 計算 | 金額 |
| 労働者負担 | 200,000円 × 0.5% | 1,000円 |
| 事業主負担 | 200,000円 × 0.85% | 1,700円 |
このように、従業員本人の負担は月1,000円程度、事業主側でも1,700円程度となります。実際の金額を見ると、想像よりも負担が小さいと感じる方も多いのではないでしょうか。
なお、賞与が支給される場合も同様に保険料がかかります。そのため、年間でどの程度の負担になるかをあらかじめ把握しておくと、資金計画も立てやすくなります。
保険料の仕組みを正しく理解しておくことで、「なんとなく負担が大きそう」という不安を解消し、適切な判断ができるようになります。
雇用保険の加入手続きと事業主の義務

加入手続きの流れ
雇用保険は、対象となる従業員を雇用した時点で、事業主が手続きを行う必要があります。基本的な流れとしては、まず事業所として雇用保険の適用を受けるための手続きを行い、そのうえで従業員ごとに被保険者としての手続きを進めます。
具体的には、事業所の所在地を管轄するハローワークに対して、事業所設置届や被保険者資格取得届を提出します。これにより、従業員が雇用保険の対象として登録されます。
また、従業員が退職した場合には資格喪失の手続きも必要になるため、採用から退職まで一連の管理を行うことが求められます。手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、期限が決められているため、遅れないよう注意が必要です。
加入しない場合のリスク
条件を満たしているにもかかわらず雇用保険に加入していない場合、事業主にはさまざまなリスクが生じます。
まず、従業員が本来受けられるはずの給付を受けられなくなる可能性があります。これにより、従業員とのトラブルにつながることも考えられます。また、行政から指導や是正を求められるケースもあり、場合によっては過去にさかのぼって保険料の納付を求められることもあります。
さらに、近年では助成金の申請要件として雇用保険への加入が条件となるケースも増えています。制度を活用したいと考えたときに、未加入であることが障害になる可能性もあるため、早めに整備しておくことが重要です。
よくある誤解と注意点
雇用保険については、現場で誤解されているケースも少なくありません。代表的なのは、「パートやアルバイトは対象外」という考え方です。しかし実際には、勤務時間と雇用期間の条件を満たしていれば、雇用形態に関係なく加入が必要になります。
また、「少人数だから関係ない」と思われがちですが、従業員が1人でも条件を満たせば加入義務が発生します。規模の大小は関係ありません。
そのほか、「後からまとめて手続きすればよい」と考えるのも危険です。雇用保険は原則として適切なタイミングでの手続きが求められるため、後回しにすると手続きが煩雑になる可能性があります。
制度自体は難しいものではありませんが、思い込みや誤解によって対応が遅れてしまうケースが多く見られます。正しい情報をもとに、早めに整備しておくことが重要です。
まとめ|雇用保険で押さえるべきポイント

雇用保険は、従業員を雇用している事業者であれば避けて通れない制度のひとつです。特に重要なのは、「雇用形態ではなく労働条件で判断する」という点です。パートやアルバイトであっても、週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがある場合は、原則として加入が必要になります。
また、保険料についても過度に負担が大きいものではなく、従業員と事業主で分担する仕組みになっています。具体的な金額を把握することで、不安を減らし、適切な対応がしやすくなります。
一方で、加入が必要にもかかわらず未対応の場合は、後から保険料の徴収や行政指導を受けるリスクがあります。さらに、近年では助成金の申請条件として雇用保険の加入が求められるケースもあり、制度未整備が機会損失につながる可能性もあります。
まずは、自社の従業員が加入条件を満たしているかを確認し、必要な手続きを進めることが大切です。雇用保険は、従業員を守るだけでなく、事業を安定させるための基盤となる制度といえるでしょう。
※ご注意下さい。
令和8年より業務改善助成金の申請対象労働者も「雇用保険被保険者」となりました。
👉https://emio.jp/news/gyoumukaizennjyosekinntoha-reiwa8nennbann/


