補助金申請の裏に潜むリスクとは?不正受給を防ぐためのサポート業者チェックポイント5つ
ブログ監修者

プランナー
棚橋和宏
(たなはしかずひろ)
【保有資格】

整骨院の開業・運営にかかる費用を少しでも抑えたい、補助金を活用したいとお考えの方へ。
私は医療機器販売と補助金申請支援の経験を活かし、整骨院経営を資金面からサポートしています。
「自院が対象になるのか分からない」「申請手続きが不安」そんなお悩みに丁寧に寄り添い、最適な制度選びから申請サポートまで対応。
補助金を活用することで設備投資や差別化が可能となり、経営の安定化にもつながります。
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補助金申請に潜む不正受給のリスクとは

不正受給とは何か?その定義と代表例
補助金申請における「不正受給」とは、本来であれば補助金の対象とならない内容で申請し、資金を不正に受け取る行為を指します。たとえば、実際には購入していない設備の領収書を提出したり、架空の人件費を計上するなどが該当します。また、売上の水増しや、対象外の経費を対象内に見せかけるようなケースもあります。
一見すると些細な誤りに見えることでも、意図的であれば重大な不正と見なされることがあり、特に「知っていて虚偽の申請をした」場合は厳しく罰せられます。申請者本人に悪意がなかったとしても、申請書に事実と異なる内容が含まれていれば、不正受給と判断される可能性があるため、十分な注意が必要です。
不正受給が発覚した場合のペナルティ
返還義務と追徴課税のリスク
不正受給が発覚すると、まず最初に補助金の全額返還が求められます。加えて、悪質な場合には利息や加算金、さらには追徴課税の対象になることもあります。返還額が高額になると、事業の継続そのものに影響を及ぼすことも少なくありません。
また、「加算金」は制度により異なりますが、不正が悪質であるほど上乗せされることが一般的です。つまり、補助金を得る目的で不正を行った場合、結果的に多大な負債を抱えるリスクを負うことになります。
信用失墜による経営へのダメージ
金銭的な負担以上に深刻なのが「信用の失墜」です。不正受給の事実が外部に知られると、行政や金融機関との関係が悪化するだけでなく、患者や顧客の信頼も失う恐れがあります。さらに、今後の補助金申請が認められなくなるケースもあり、経営にとって致命的なダメージとなりかねません。
そのため、補助金を活用する際は、「制度を正しく理解し、真っ当な方法で利用する」ことが経営者に求められる姿勢と言えるでしょう。
サポート業者が関与する不正行為の実例と責任の所在
業者のアドバイスが不正につながるケース
補助金申請を支援するサポート業者は、申請書類の作成や計画書の整備などを代行・支援してくれる存在として、多くの事業者にとって心強いパートナーです。しかし一方で、業者のなかには「採択率を上げるため」と称して、制度の趣旨に反した申請内容を提案するケースもあります。
たとえば、実際に行っていない事業を行ったように記載する、補助対象外の費用を含めて申請させる、取引実績のない企業の見積書を使用させるなどが挙げられます。これらのアドバイスは一見すると「裏技」のように思えるかもしれませんが、すべて不正の助長にあたります。知らずに従ったとしても、後で問題になれば「意図的な不正」と見なされる可能性があります。
最終的な責任は誰が負うのか
業者だけでなく申請者も連帯責任
不正な申請に関わっていた場合、たとえそれが業者の提案によるものであっても、申請者自身が責任を免れることはできません。なぜなら、最終的に提出される申請書類は、事業者の名義で作成され、事業者の責任で提出されたものだからです。
つまり、「業者がそう言ったから」「知らなかった」という理由では、行政側に責任を転嫁することはできません。業者が違法な行為を助長したとしても、連帯責任が発生することを認識しておくべきです。
最近の法改正と罰則の強化傾向
近年、不正受給の問題が相次いだことを受けて、補助金関連制度では法的な取り締まりが強化されています。たとえば、申請書類の虚偽記載や改ざんについては、事業者だけでなく、それを支援したサポート業者や士業にも罰則が科されるようになっています。
行政も、制度の信頼性を守るために審査体制を強化し、意図的な不正だけでなく「不適切な申請」に対しても厳しく対応する方針をとっています。よって、業者選びの際には「実績」や「資格」だけでなく、「倫理観」や「透明性」にも注目することが重要です。
悪質なサポート業者を見抜く5つのチェックポイント

実績の裏付けがない業者は要注意
サポート業者を選ぶ際にまず確認すべきなのが、その業者に「具体的な実績があるかどうか」です。過去に何件の申請をサポートし、どの程度採択されたのか、申請した制度はどれなのかなど、数字と制度名をもとにした客観的な実績の提示がなければ注意が必要です。
「多数の成功実績があります」といった曖昧な表現だけを掲げている業者は、信頼に値しない可能性があります。必ず、成果の証拠があるか確認しましょう。
着手金や成功報酬の条件を曖昧にする
契約に関わる報酬体系が明確に記載されていない場合も要注意です。特に、「申請後に高額な成功報酬を請求された」「着手金を払ったのに何の対応もしてもらえなかった」などのトラブルが起きやすい傾向があります。
信頼できる業者は、事前に報酬体系・対応内容・成果の基準を明文化して説明してくれます。言葉巧みに契約を急がせる業者には、慎重な姿勢が求められます。
「絶対に通る」と断言する業者
補助金制度は、公平な審査のもとで申請の可否が決まるものです。そのため、どれだけ実績がある業者であっても「100%採択される」「必ず通る」といった断言はできません。
にもかかわらず、そうした言葉を使って安心感をあおる業者は、リスクを軽視している可能性があり注意が必要です。過剰な表現をする業者は、契約後の対応も信頼しにくいといえるでしょう。
他人名義や架空の事業で申請を勧める
「知人の名義を借りて申請すればいい」「この申請書に沿って出せば、実際にやっていなくても大丈夫」などといったアドバイスをする業者は明確に違法です。
こうした不正な手段は、事業者にとって重大な法的リスクを伴います。結果的に、不正受給と判断される可能性が極めて高く、行政処分や刑事罰の対象になる恐れがあります。
契約内容を口頭で済ませようとする
契約内容を文書化せず、口頭だけで済ませようとする業者も信用してはいけません。申請の成否や支援の範囲、費用の支払条件など、トラブルが起きやすい部分ほど明確に契約書に記載すべきです。
もしも「契約書はあとで渡す」「今は口約束で進めよう」と言われた場合は、きっぱりと断る姿勢が重要です。書面に残すことを嫌がる業者には、何らかの問題がある可能性が高いと考えてよいでしょう。
信頼できる補助金サポート業者を選ぶための基準

過去の支援実績を確認する方法
信頼できる業者を見極める第一歩は、「これまでどんな補助金の支援をしてきたのか」を確認することです。たとえば、特定の補助金に何件関わり、どれだけの採択実績があるのか、実際に支援した事業者の業種や規模はどうだったのかといった具体的な情報を聞いてみましょう。
また、公式ウェブサイトやパンフレットに事例が掲載されている場合でも、情報の裏付けがあるかどうかを自分でも確認する姿勢が重要です。実名・実績・補助金名が明記されているかどうかが、信頼性の判断材料になります。
契約書や報酬体系の透明性を重視する
契約内容が不明瞭なまま進むことは、トラブルの原因になります。信頼できる業者は、業務範囲や支援内容、成果報酬の算出方法、キャンセル時の対応などをすべて明文化して説明します。
もし、契約前に見積書すら提示されない、報酬が「ケースバイケース」とだけ言われるような場合は注意が必要です。重要なのは、料金体系だけでなく、その根拠や条件も明示されているかどうかです。
書面で確認できるか、説明が一貫しているかをチェックしましょう。
公的資格の有無(行政書士・社労士など)
補助金申請には、行政手続きの専門知識が必要となる場合もあります。そのため、行政書士や社会保険労務士などの公的資格を持つ専門家が在籍しているかどうかは、業者選びの一つの判断基準となります。
もちろん、資格があるからといって必ずしも安心とは限りませんが、法的な観点から正確な助言を受けられる可能性が高まります。さらに、士業が関わる場合は、万が一の責任問題に対しても一定の保証体制があることが多く、トラブル回避にもつながります。
安心・安全に補助金を活用するための対策まとめ
自力での情報収集の重要性
補助金の制度は多岐にわたり、年度や地域によっても内容が異なるため、まずは「自分で情報を集める」ことが基本です。公的機関(経済産業省、各都道府県、市区町村など)の公式サイトには、最新の公募要領や申請手順が詳しく掲載されています。
業者任せにするのではなく、最低限の制度概要や申請の流れを自ら理解しておくことで、万が一、業者の説明に不明点があった際にも適切に判断できます。信頼できるサポートを得るためにも、まずは自身の情報リテラシーを高めることが大切です。
顧問弁護士や専門家への相談を活用する
申請内容や業者との契約に少しでも不安がある場合は、早めに第三者に相談しましょう。特に、顧問弁護士や信頼できる士業に相談できる環境がある場合は、書類の確認や契約内容の精査を依頼することで、後々のリスクを大きく減らすことができます。
一見複雑な制度でも、法的な視点から見直すことでシンプルに理解できることもありますし、業者とのやりとりで不利益を被らないようにするためのアドバイスも得られます。
適正な手続きで正々堂々と申請する
補助金は、本来「まじめに取り組む事業者」を支援するための制度です。不正や誤魔化しに頼らなくても、正しい手続きと適切な書類を整えれば、十分に採択される可能性はあります。
「通るかどうか」だけにとらわれず、制度の目的や社会的な意義を踏まえた上で、自院の成長や患者サービスの向上に活かすことを第一に考えましょう。安心・安全に補助金を活用することは、結果として経営の信頼性を高め、将来の発展にもつながります。