業務改善助成金は使えなくなった?雇用保険加入が必須になった影響を解説【令和8年】

ブログ監修者

棚橋 和宏

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

【保有資格】

資格:医療経営士3級
医療経営士3級
令和7年度行政書士試験合格
令和7年度行政書士試験合格(未登録)

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業務改善助成金は本当に使えなくなったのか

制度自体は継続している

令和8年の業務改善助成金について、「今年は使えなくなったのではないか」と不安に感じている経営者もいるかもしれません。しかし、制度そのものが廃止されたわけではありません。令和8年度も、事業場内最低賃金の引き上げと、生産性向上につながる設備投資を行う事業者を支援する制度として継続されています。

つまり、業務改善助成金がまったく使えなくなったわけではなく、申請するための条件が一部変更されたと考えるのが正確です。特に大きな変更点が、賃金を引き上げる対象となる従業員の条件です。

令和8年度からは、対象となる従業員が雇用保険加入者に限定されました。そのため、これまで対象にできていた短時間勤務のスタッフが、今年は対象外になるケースがあります。

使えなくなったと感じる理由

業務改善助成金が「使えなくなった」と感じられる理由は、これまでよりも対象となる従業員の範囲が狭くなったためです。

たとえば、昨年までは週1〜2日だけ午前中に勤務しているスタッフでも、事業場内最低賃金の対象者として活用できる可能性がありました。しかし令和8年度は、雇用保険に加入している従業員であることが前提となります。

雇用保険は、原則として週20時間以上勤務し、31日以上の雇用見込みがある従業員が対象です。そのため、勤務時間が短いスタッフや、スポット的に働くスタッフは雇用保険の対象外となり、結果として業務改善助成金でも対象にできない可能性が高くなります。

この変更により、特にパート・アルバイトを中心に運営している施術所や小規模事業者では、申請できると思っていた従業員が対象外になるケースが出てきます。制度は残っているものの、実務上は「使いにくくなった」と感じる事業者が増えると考えられます。

令和8年の変更点|雇用保険加入が必須になったポイント

変更前と変更後の違い

令和8年の業務改善助成金で最も大きな変更点は、賃上げの対象となる従業員の条件が明確に厳格化されたことです。これまでは、事業場内で最も低い賃金の従業員を引き上げることができれば、必ずしも雇用保険への加入が条件ではありませんでした。

しかし令和8年度からは、賃上げの対象とする従業員が雇用保険に加入していることが前提となっています。つまり、同じ賃上げを行ったとしても、その従業員が雇用保険に加入していなければ、助成金の対象としてカウントすることができません。

この違いを整理すると、次のようになります。

項目令和7年まで令和8年以降
対象となる従業員事業場内最低賃金の従業員雇用保険加入者に限定
パート・短時間勤務対象になる場合あり条件次第で対象外
申請のハードル比較的低い明確に厳格化

このように、「誰を対象にできるか」という根本的な部分が変わったことが、今回の変更のポイントです。

なぜ雇用保険加入が要件に追加されたのか

今回の変更の背景には、労働環境の整備をより重視する方向性があります。業務改善助成金は、単なる設備投資の補助ではなく、賃上げを通じて働く環境を改善することが目的です。

そのため、安定した雇用関係にある従業員を対象にすることで、制度の趣旨に沿った支援を行う狙いがあります。雇用保険に加入しているということは、一定の労働時間や雇用期間があることを意味し、継続的な雇用関係が前提となります。

一方で、短時間勤務や不定期な雇用の場合は、賃上げの効果が限定的になりやすいという考え方もあります。このような背景から、対象となる従業員の条件として雇用保険加入が明確に求められるようになりました。

この変更により、制度としての目的はより明確になりましたが、現場の運用としてはハードルが上がったと感じる事業者も少なくありません。特に、パート中心で運営している事業所にとっては影響が大きいポイントといえます。

雇用保険加入必須で何が変わったのか

対象となる従業員の考え方の変化

令和8年の変更によって、業務改善助成金の申請における「対象となる従業員の考え方」が大きく変わりました。これまでは、事業場内で最も低い賃金の従業員を引き上げることができれば、比較的柔軟に対象者を設定することができました。

しかし現在は、雇用保険に加入している従業員であることが前提となるため、「最低賃金だから対象にできる」という単純な判断ができなくなっています。まずは、その従業員が雇用保険の加入条件を満たしているかを確認する必要があります。

その結果、これまで対象にできていた従業員の中でも、勤務時間が短いスタッフや不定期に勤務するスタッフは対象外となるケースが増えています。つまり、「賃金水準」だけでなく「雇用形態や勤務条件」も含めて判断する必要があるという点が、大きな変化といえます。

申請できる事業者が減る理由

今回の変更により、業務改善助成金を申請できる事業者の範囲も実質的に狭くなっています。その理由は、対象となる従業員の条件が厳しくなったことで、要件を満たせないケースが増えるためです。

特に影響が大きいのは、パートやアルバイトを中心に運営している事業所です。短時間勤務のスタッフが多い場合、雇用保険の加入条件である週20時間以上の勤務を満たしていないケースが多く、結果として賃上げ対象にできる従業員がいないという状況が起こり得ます。

また、雇用保険の手続きが未整備の事業所では、本来は加入対象である従業員がいても、未加入のままでは助成金の対象にできません。このように、「制度上は申請可能でも、実務上は申請できない」というケースが増えることが、今回の変更の影響といえます。

そのため、これから業務改善助成金の活用を検討する場合は、まず自社の従業員が雇用保険に適切に加入しているかを確認することが重要になります。

対象外になるケース|パート・短時間勤務はどうなる?

週1~2日勤務スタッフが対象外になる理由

今回の変更で最も影響が大きいのが、週1〜2日程度の短時間勤務スタッフです。これまでは、勤務日数が少なくても事業場内で最も低い賃金であれば、賃上げ対象として活用できるケースがありました。

しかし令和8年度からは、雇用保険に加入していることが前提となります。雇用保険の加入条件は、週20時間以上の勤務と31日以上の雇用見込みです。そのため、午前中のみの勤務や、週1〜2日のシフトではこの条件を満たさないことが多く、結果として助成金の対象外になります。

この変更により、「最低賃金のスタッフを少しだけ引き上げて申請する」といった従来の使い方が難しくなっています。特に、補助的な人員として短時間勤務のスタッフを雇用している事業所では、影響が大きいといえるでしょう。

よくある対象外パターン

実際の現場では、知らないうちに対象外になっているケースも少なくありません。たとえば、週の勤務時間が合計で20時間未満の場合や、勤務日数が不定期で雇用期間の見込みが立たない場合は、雇用保険の対象外となります。

また、本来は条件を満たしているにもかかわらず、手続きがされていないために雇用保険に未加入となっているケースもあります。この場合、賃上げを行っても助成金の対象としてカウントすることができません。

さらに、複数のスタッフがいるものの、すべて短時間勤務で構成されている場合、そもそも対象となる従業員が一人もいないという状況になることもあります。このようなケースでは申請ができません。

自社が対象か判断するポイント

自社が業務改善助成金の対象になるかを判断するためには、まず「雇用保険に加入している従業員がいるか」を確認することが出発点になります。

そのうえで、その従業員が事業場内で比較的低い賃金帯に位置しているかを確認し、賃上げの対象として設定できるかを検討します。もし対象となる従業員がいない場合は、現状のままでは申請が難しいと判断できます。

重要なのは、「賃金水準」だけで判断するのではなく、「雇用保険の加入状況」とセットで考えることです。この2つを同時に満たしているかどうかが、今回の制度では大きな判断基準となります。

業務改善助成金を申請するために今やるべきこと

雇用保険の加入状況を確認する

まず最初に行うべきなのは、自社の従業員が雇用保険に適切に加入しているかを確認することです。令和8年度の業務改善助成金では、賃上げの対象となる従業員が雇用保険加入者に限定されているため、この確認が出発点になります。

具体的には、週20時間以上勤務している従業員がいるか、そしてその従業員が実際に雇用保険に加入しているかを確認します。勤務条件を満たしているにもかかわらず未加入のままになっているケースもあるため、名簿や給与台帳をもとに整理することが重要です。

この段階で対象となる従業員がいない場合は、現状のままでは助成金の申請が難しいことが分かります。そのため、早い段階で現状把握を行うことが大切です。

必要に応じて加入手続きを行う

確認の結果、加入対象であるにもかかわらず未加入の従業員がいる場合は、速やかに手続きを行う必要があります。雇用保険は原則として加入義務がある制度であり、後回しにすると手続きが煩雑になる可能性があります。

また、業務改善助成金の申請は、賃上げや設備投資の前に計画を立てて行う必要があるため、申請直前になって慌てて対応するのではなく、余裕を持って整備しておくことが重要です。

雇用保険の加入手続きはハローワークで行うことができ、書類も比較的シンプルです。早めに対応しておくことで、助成金の活用に向けた準備が整います。

申請前に確認しておくべき注意点

最後に、申請前に確認しておきたいポイントとして、「賃上げの対象となる従業員が適切に設定されているか」が挙げられます。雇用保険に加入しているだけでなく、事業場内の賃金水準との関係も考慮する必要があります。

また、賃上げは申請後に実施する必要があるため、すでに賃金を引き上げてしまっている場合は対象外になる可能性があります。申請のタイミングも含めて、計画的に進めることが重要です。

さらに、設備投資についても交付決定前に実施してしまうと助成対象外となるため、順序を守ることが求められます。このように、制度のルールを正しく理解したうえで準備を進めることが、申請成功のポイントになります。

まとめ|今回の変更で押さえるべき重要ポイント

令和8年の業務改善助成金は、制度自体は継続されているものの、申請条件は確実に厳しくなっています。特に大きなポイントは、賃上げの対象となる従業員が雇用保険加入者に限定された点です。この変更によって、これまで活用できていた短時間勤務のスタッフが対象外になるケースが増えています。

そのため、「最低賃金だから対象になる」という従来の考え方ではなく、「雇用保険に加入しているかどうか」を基準に判断する必要があります。この視点の変化を理解していないと、申請できると思っていたにもかかわらず対象外となる可能性があります。

また、雇用保険の加入状況が整っていない場合、本来は申請できる事業者であっても助成金を活用できません。制度を活用するためには、まず自社の雇用環境を見直すことが重要です。

今回の変更は、単に条件が厳しくなったというだけでなく、「適切な雇用管理を行っている事業者を支援する」という方向性がより明確になったともいえます。まずは現状を把握し、必要な対応を行うことが、助成金活用への第一歩となるでしょう。

雇用保険の加入条件や保険料などについてはこちらの記事にまとめています。
👉https://emio.jp/news/koyouhokenntoha-kanyuujyoukenn-hokennryou/

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