キャリアアップ助成金 社会保険適用時処遇改善コース|短時間スタッフの処遇改善を促進 令和7年度版~シリーズ⑦~
ブログ監修者

プランナー
棚橋和宏
(たなはしかずひろ)
【保有資格:医療経営士3級】

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Contents
社会保険適用時処遇改善コースとは?

制度の目的と背景
社会保険適用時処遇改善コースは、パートや短時間スタッフを新たに社会保険へ加入させる取り組みを支援する制度です。非正規スタッフは社会保険に入っていないことが多く、収入面や将来への不安を抱えやすいのが現状です。こうした状況を改善し、安心して働ける環境をつくるために、このコースは設けられました。
令和7年度の支給条件と助成額
令和7年度の制度では、短時間労働者を社会保険に適用させ、賃金引上げや手当の支給、労働時間の延長を実施することで助成金が支給されます。支給額は取り組みの内容や規模によって変わりますが、社会保険への適用を進める中小事業者の負担を軽減する仕組みが用意されています。申請には計画書の提出や、実際に支払った賃金の証拠などが必要です。
他のコースとの違い
正社員化コースや賃金規定等改定コースは、主に雇用形態の転換や基本給の引上げを支援します。一方、このコースは「社会保険に適用させる」という点に特徴があります。短時間スタッフの雇用を安定させ、社会保障を整備することで、スタッフの安心感を高めることを重視した制度です。
接骨院・鍼灸院での活用メリット

短時間スタッフの安心感アップ
接骨院や鍼灸院では、受付や施術補助などを短時間勤務のパートスタッフで支えることが多いです。こうしたスタッフにとって社会保険の適用は大きな安心材料になります。健康保険や年金など将来への不安が減ることで、働く意欲も高まります。スタッフが「ここで続けたい」と思える環境をつくるために、社会保険への適用は非常に重要です。
人材確保と定着
人材不足が深刻な業界において、経験を積んだスタッフの離職は大きな痛手です。待遇の改善は人材を確保し、定着させるための有効な手段です。社会保険適用時処遇改善コースを活用すれば、社会保険適用による人件費の増加を助成金で補いながら進められるため、経営負担を軽減してスタッフの定着を促進できます。
地域で信頼される院づくり
スタッフが安心して働ける環境は、患者さんへの対応にも良い影響を与えます。いつものスタッフが笑顔で迎えてくれることは、患者さんにとって大きな安心感です。社会保険への加入を進めることは、スタッフを大切にする院としての信頼を地域に示すことにもつながります。
申請までの具体的な流れ

計画書作成と提出
助成金を受け取るためには、まず「キャリアアップ計画書」を作成します。この計画書には、どのスタッフを社会保険に適用させ、どのように処遇を改善するかを具体的に記載します。作成した計画書は、取り組みを始める前日までに所轄の労働局やハローワークへ提出する必要があります。これを怠ると助成金の対象外になるため、事前準備が重要です。
社会保険適用の手続き
計画書の認定を受けたら、実際に対象スタッフを社会保険に加入させます。健康保険や厚生年金の手続きは社会保険事務所で行います。スタッフへの説明も丁寧に行い、安心して手続きを進められるようにしましょう。社会保険への加入はスタッフにとっても大きな生活の変化ですので、理解を得ることが大切です。
賃金引上げや労働時間延長の実施
社会保険の適用には、所定労働時間や賃金の条件を満たす必要があります。必要に応じて労働時間を延長したり、賃金を引き上げたりして基準をクリアします。これらの処遇改善を実施することで、スタッフにとっての安心感を高め、働きやすい職場をつくります。
証憑管理と支払い実績
処遇改善を進めた後は、賃金台帳、勤怠記録、雇用契約書、社会保険加入証明など、証拠となる書類をきちんと整備します。これらは助成金の申請時に必要になる大切な資料です。日頃から正確に記録し、管理しておくことがスムーズな申請につながります。
支給申請と審査
6か月間の賃金支払いを終えたら、所定の期限内に支給申請を行います。必要書類をそろえ、所轄の労働局へ提出します。審査を経て問題がなければ助成金が振り込まれます。スケジュールを逆算し、計画書提出から申請までの流れをしっかり管理することが成功のカギです。
申請時の必要書類と注意点

必要書類一覧
社会保険適用時処遇改善コースを申請する際には、多くの書類をそろえる必要があります。支給申請書、支給要件確認申立書、社会保険適用時処遇改善コース内訳が基本です。さらに、雇用契約書、賃金台帳、勤怠記録、社会保険加入証明、就業規則の写し、支払い明細書なども必要になります。これらは実際に処遇を改善し、社会保険を適用した証拠として審査されます。
書類管理と整備のポイント
助成金をスムーズに受給するには、日頃からの書類管理が大切です。就業規則は常に最新の内容にしておき、改定時は労働基準監督署へ届け出を行います。賃金台帳や勤怠記録、社会保険の加入証明は細かくチェックされるため、記載漏れや誤りがないように管理します。スタッフとの面談記録や同意書も保管しておくことで、後のトラブルを防げます。
申請時のよくあるミスと対策
よくあるミスとして、計画書を事前に提出しないまま取り組みを進めてしまうケースがあります。助成金は事前申請が必須です。また、就業規則が古いままだったり、賃金台帳に処遇改善が反映されていない、社会保険の手続きが完了していないといった不備も多く見られます。これらを防ぐには、スケジュールを逆算して余裕を持って準備を進め、チェックリストを使って一つずつ確認することが大切です。不安があれば専門家に相談するのも良い方法です。
接骨院・鍼灸院での活用事例イメージ

受付スタッフの社会保険適用例
接骨院や鍼灸院では、受付業務をパートタイムで担うスタッフが多くいます。社会保険の適用を進めることで、スタッフにとっての安心感が大きく変わります。健康保険や年金への加入は将来への不安を減らし、「ここで長く働きたい」という気持ちを育てます。助成金を活用することで、こうした取り組みにかかる経営負担を軽減し、計画的に進めることができます。
施術補助スタッフの労働時間延長
施術補助スタッフも院の運営を支える重要な存在です。社会保険適用を目指すために労働時間を延長し、賃金を引き上げることで、安定した雇用を実現できます。スタッフにとっても「この職場でしっかり働ける」という安心が生まれます。助成金を使えば、こうした処遇改善を無理なく進めやすくなります。
小規模院での進め方
規模の小さい接骨院や鍼灸院では、一度にすべてのスタッフに適用するのは負担が大きいかもしれません。まずは1人目の社会保険適用から始め、段階的に広げていく方法が現実的です。助成金を活用することでコストを抑えながら、スタッフの安心と院の信頼を高める取り組みを着実に進められます。
まとめ|社会保険適用でスタッフに安心を届ける院へ
接骨院や鍼灸院が地域に根ざし、患者さんから信頼されるためには、スタッフが安心して働ける環境を整えることが大切です。社会保険への加入は、短時間スタッフにとって大きな安心材料になります。健康保険や年金といった保障を用意することで、将来への不安を減らし、長く働きたいと思える職場づくりを進められます。
社会保険適用時処遇改善コースを活用すれば、こうした取り組みにかかる経営負担を軽減できます。令和7年度版では、計画書の提出や就業規則の整備、実際の賃金支払いなどしっかりした準備が必要ですが、助成金を活用することで実現へのハードルを下げられます。
スタッフを大切にする姿勢は、患者さんへのサービスにもつながります。安心して働ける職場を目指し、地域に愛される院をつくるために、この制度を前向きに活用してみてください。