キャリアアップ助成金Q&A|接骨院・鍼灸院のよくある疑問を解説 令和7年度版~シリーズ⑪~
ブログ監修者

プランナー
棚橋和宏
(たなはしかずひろ)
【保有資格:医療経営士3級】

整骨院の開業・運営にかかる費用を少しでも抑えたい、補助金を活用したいとお考えの方へ。
私は医療機器販売と補助金申請支援の経験を活かし、整骨院経営を資金面からサポートしています。
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まずはお気軽にご相談ください。先生の想いを形にするお手伝いをさせていただきます。
Contents
キャリアアップ助成金とは?

どんな制度?
キャリアアップ助成金は、非正規雇用で働くスタッフの処遇を改善し、安定した雇用を促進するための公的な支援制度です。有期契約やパート、短時間労働といった非正規の働き方から、正社員への転換や賃金の引上げ、社会保険への加入を後押しします。経営者にとっては、こうした取り組みにかかるコスト負担を軽減しながら、人材を確保しやすくする仕組みです。
令和7年度版で何が変わった?
令和7年度からは、重点支援対象者への加算が拡充され、短時間労働者の労働時間を延長して社会保険を適用する新しいコースも新設されました。これにより、より幅広いスタッフに対応した処遇改善を進めやすくなっています。小規模な接骨院や鍼灸院でも取り組みやすい内容になっており、地域に根ざした院づくりを支援する制度です。
申請前によくある質問

どのスタッフが対象になる?
キャリアアップ助成金は、有期契約やパートタイム、短時間労働のスタッフを対象にしています。例えば、受付スタッフや施術補助スタッフなど、非正規で雇用している従業員が対象です。正社員への転換、賃金引上げ、社会保険適用など、処遇改善を具体的に計画し、実施することが条件です。
計画書はいつまでに出せばいい?
助成金を申請するには、必ず「キャリアアップ計画書」を事前に提出する必要があります。取り組みを始める前日までに、所轄の労働局やハローワークへ提出しなければなりません。この事前提出がないと、どれだけ処遇改善をしても助成金は受給できないため、最初の段階でしっかり準備することが重要です。
就業規則は改定が必要?
はい。正社員転換制度を導入したり、賃金規定を改定したりする場合は、就業規則を変更し、労働基準監督署に届け出る必要があります。スタッフへの周知も欠かせません。処遇改善を進めるためには、院内ルールをしっかり整え、スタッフの理解を得ることが大切です。
申請手続きの疑問を解消

どんな書類が必要?
キャリアアップ助成金の申請には、支給申請書や支給要件確認申立書、支給対象労働者名簿などの基本書類が必要です。さらに、雇用契約書、賃金台帳、勤怠記録、就業規則の写し、社会保険加入証明など、処遇改善を証明するための書類もそろえます。これらは審査で重要なポイントになるので、漏れなく正確に準備しましょう。
申請のタイミングはいつ?
申請は、処遇改善を実施してから6か月間の賃金支払い実績を整えた後に行います。賃金台帳や勤怠記録などで6か月間しっかり記録を残し、その翌日から2か月以内に所轄の労働局へ支給申請を提出します。スケジュールを逆算して計画書提出から実施、申請までの流れを管理することが大切です。
スケジュール管理のポイント
助成金申請は、計画書の提出、就業規則の改定、処遇改善の実施、賃金支払い実績の整備、支給申請と多くの段階があります。各段階に期限があるため、スケジュールをしっかり立てて進めることが成功のカギです。事前に計画を立てておくことで、書類の不備や提出遅れを防げます。
活用するときの注意点

事前申請を忘れたらどうなる?
キャリアアップ助成金は、必ず「キャリアアップ計画書」の事前提出が必要です。これを忘れてしまうと、実際に正社員化や賃金引上げなどの取り組みをしても助成金の対象になりません。事前申請は絶対条件なので、計画段階からスケジュールをしっかり管理することが大切です。
不備を防ぐ書類管理のコツ
助成金の申請は書類の正確さが重要です。賃金台帳や勤怠記録、雇用契約書など、証拠となる書類は日頃から正しく整備しておく必要があります。特に就業規則の内容が古いままだったり、賃金引上げが台帳に反映されていないなどの不備があると、審査で指摘されます。チェックリストを活用して一つずつ確認することがポイントです。
スタッフとのコミュニケーション
処遇改善はスタッフにとって大きな変化です。正社員化や社会保険適用は生活に影響を与えるため、しっかり説明し理解を得ることが重要です。不安や疑問を解消し、納得して取り組みに参加してもらうことで、スムーズな導入が可能になります。日頃から信頼関係を築くコミュニケーションを大切にしましょう。
接骨院・鍼灸院での具体的な活用イメージ

受付スタッフの正社員化
受付スタッフは患者さんと最初に接する大切な役割を担います。パートタイムや有期契約で雇用することが多いですが、正社員化することで安定した働き方を提供できます。助成金を活用すれば、正社員転換に伴うコストを軽減しながら、スタッフの安心感を高め、長期的な定着を促進できます。
賃金規定の整備
スタッフのモチベーションを保つためには、公平でわかりやすい賃金規定が欠かせません。賃金規定等改定コースや共通化コースを活用すれば、有期契約スタッフの基本給を引き上げたり、正社員との共通ルールを設けたりする際の経費を支援してもらえます。これにより、待遇への不満を減らし、信頼を築くことができます。
社会保険適用拡大
短時間勤務のスタッフは社会保険に加入できない場合が多く、将来への不安を抱きがちです。社会保険適用時処遇改善コースや短時間労働者労働時間延長支援コースを活用することで、労働時間を延長し、社会保険を適用する取り組みを進められます。スタッフに安心を提供し、院全体の信頼性を高めることが可能です。
まとめ|不安を解消して助成金を活用しよう
キャリアアップ助成金は、接骨院や鍼灸院がスタッフの処遇を改善し、安心して長く働ける職場をつくるための心強い支援策です。正社員化や賃金引上げ、社会保険の適用などを進めることで、スタッフのモチベーションを高め、離職を防げます。
ただし、申請には計画書の事前提出や就業規則の整備、6か月間の支払い実績など、しっかりとした準備が必要です。不安や疑問を解消しながら進めることで、スムーズな受給が可能になります。
地域に根ざし、患者さんから信頼される院を目指して。助成金という公的支援を上手に活用し、スタッフと一緒に未来を築いていきましょう。