自由度とリスクを知る!柔道整復師・鍼灸師が業務委託(受託)で成功するための5つのポイント

ブログ監修者

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

【保有資格:医療経営士3級】

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柔道整復師・鍼灸師が業務委託を選ぶ理由と基本概要

独立・副業で業務委託が注目される背景

柔道整復師や鍼灸師の働き方は、常勤で院に所属する形から、独立や副業を組み合わせる形へと広がっています。背景には、患者ニーズの細分化と自費メニューの拡大があります。スポーツ障害に強い人、産前産後ケアに注力したい人、慢性痛の長期ケアを得意とする人など、専門性を活かした働き方の選択肢が増えました。常勤採用だけでは、その専門性をすぐに試せないことがあり、キャリアの自由度が下がる場面もあります。そこで、特定の期間や時間帯に限定して力を発揮できる業務委託が注目されるようになりました。
業務委託であれば、施術者は自分の強みを明確に打ち出し、院は必要なタイミングでその強みを取り入れられます。新しいメニューを試験的に導入するときも相性がよく、短期契約で反応を見てから拡張する流れを作れます。結果として、施術者は経験を積みながら実績を可視化でき、院は患者満足度の向上と機会損失の回避を両立できます。こうした相互メリットが、業務委託という働き方の広がりを後押ししています。

雇用契約との違いと業務委託の仕組み

雇用契約は、勤務日や勤務時間、業務手順を院が決め、施術者がその指示に従う関係です。社会保険や有給などの制度が整う反面、働き方の裁量は限定されやすくなります。これに対して業務委託は、院と施術者が対等な立場で合意し、役務の提供に対して報酬を支払う仕組みです。日々の働き方を細かく管理するのではなく、提供する施術の範囲や品質基準、報酬の計算方法を事前に取り決め、実現の手段は施術者の裁量に委ねます。
契約書では、施術内容、実施場所、必要な機材の扱い、報酬の算定と支払い時期、患者情報の取り扱い、契約期間と更新、解除の流れを明確にします。報酬は時間給よりも、施術売上に連動する歩合やパッケージ料金のほうが整合的です。こうして成果に結びつくかたちで取り決めると、施術者は結果に責任を持ちやすく、院は期待するアウトカムを共有しやすくなります。
重要なのは、契約の枠組みだけでなく、運用も契約内容に沿うことです。勤務開始・終了時刻を細かく管理したり、施術手順を逐一指示したりすると、雇用に近い状態になりかねません。定期的な振り返りで品質と患者満足を確認し、改善点を合意形成で整える姿勢が、業務委託らしい協働を保つ近道です。

業務委託で得られる自由度と収入アップの可能性

働く時間・場所を自分で選べる柔軟性

業務委託の最大の魅力のひとつは、働く時間や場所を自分で選べることです。雇用契約では院の営業時間やシフトに合わせる必要がありますが、業務委託では契約内容に沿っていれば、施術を行う曜日や時間帯を柔軟に設定できます。午前中だけ別の施設で働き、午後は自分の顧客に対応する、といった働き方も可能です。この自由度は、子育てや介護、学び直しなどライフスタイルに合わせたキャリア形成を目指す柔道整復師・鍼灸師にとって大きなメリットとなります。また、得意な分野や希望する地域で仕事を受けることもでき、自分の専門性を活かした案件を選びやすくなるため、仕事への満足度も高まりやすいのが特徴です。

成果に応じた報酬でキャリアを広げる

雇用契約では基本給が決まっているため、どれだけ施術をしても報酬が一定であることが多いですが、業務委託では成果に応じて報酬が増える仕組みが一般的です。施術件数や売上に連動した歩合制や、特定のプログラムを一定人数に提供する契約など、頑張りが直接収入に反映されます。人気のある施術や高い技術力を持つ場合、顧客が増えるほど収入アップが期待でき、自己ブランディングにもつながります。

さらに、複数の院や施設と契約し、収入源を分散することで、より安定感のある働き方を構築することも可能です。新しいスキルを習得したり、自費メニューを開発したりすれば、契約条件を見直す交渉材料にもなり、キャリアアップと報酬アップの両立がしやすくなります。自分の力を最大限に発揮できる環境を整えれば、自由度と収入増加の両方を実現できる点が業務委託の強みです。

業務委託に潜むリスクと注意点

収入の不安定性と保障の欠如

業務委託は自由度が高い反面、毎月の収入が安定しにくいという現実があります。歩合制や契約件数に応じた報酬形態では、顧客数が減ったり契約が終了したりすると、その分の収入が直接減少します。雇用契約のように固定給や各種手当がないため、閑散期や体調不良などの際には収入がゼロになるリスクもあります。また、雇用保険や健康保険、労災保険といった制度的な保障が基本的に適用されないため、自分で保険や税務、年金などを管理する必要があります。このため、収入の変動を見越した資金計画や、保障制度を補う民間保険の活用など、自主的な準備が不可欠です。

契約内容や法的リスクの理解不足

業務委託は雇用契約と違い、契約内容や運用方法によっては法的なリスクを伴います。院からの指示が過剰になり、実態として雇用に近い状態になると「偽装請負」と見なされる可能性がありますし、契約内容が曖昧な場合には報酬の算定や責任範囲を巡ってトラブルが起きやすくなります。さらに、施術中に知り得た患者情報の取り扱いについても、秘密保持や個人情報保護の条項が契約に含まれていなければ、後に問題になるリスクがあります。こうした事態を避けるには、契約書で業務範囲・報酬・守秘義務・解除条件などを明確に記載し、署名前に内容を十分理解することが欠かせません。必要に応じて専門家に相談するのも有効です。

成功するために押さえておくべき5つのポイント

契約書で業務内容と報酬を明確にする

業務委託を成功させる第一歩は、契約書の中身を曖昧にしないことです。どの施術をどの条件で提供するのか、どのように報酬を計算し支払うのかを具体的に決めておくことで、誤解やトラブルを防げます。契約期間、更新条件、解除方法なども記載し、双方が納得できる形に整えることが、信頼関係を築く基盤になります。

情報管理と守秘義務を徹底する

患者のカルテや個人情報など、取り扱う情報には機密性が求められます。契約時に守秘義務や情報管理のルールを定め、実務でもアクセス制限や取り扱い方法を徹底することが重要です。これにより、院側・施術者双方の信用を守りながら、安心して業務委託を継続できます。

自己管理力と営業力を磨く

業務委託は自由度が高い分、自分で仕事量やスケジュールを管理する必要があります。時間管理や顧客対応、案件獲得のための営業活動など、自己管理力と営業力が成果を大きく左右します。SNSや口コミを活用して自分の専門性を発信することも、仕事を安定して得るために効果的です。

税務・保険面の準備を整える

業務委託では、税金や社会保険の手続きは基本的に自己責任です。開業届や確定申告、必要経費の計上、必要に応じた民間保険の加入など、早めに準備を進めることで、予期せぬ負担やリスクを避けられます。専門家に相談し、自分に合った制度や方法を知っておくことも安心につながります。

定期的なスキルアップと顧客満足度向上

業務委託で継続的に成果を出すには、施術スキルや接遇力の向上が欠かせません。新しい技術や知識を学び、自分の強みを広げていくことで、契約条件の改善や報酬アップにもつながります。顧客満足度を高める工夫を重ねることで、リピートや紹介が増え、安定した収入を確保しやすくなります。

まとめ:柔道整復師・鍼灸師が自分らしい働き方を実現するために

ここまで、柔道整復師・鍼灸師が業務委託で成功するためのポイントを、自由度とリスクの両面から整理してきました。業務委託は、働く時間や場所を自分で選べ、成果に応じた報酬が得られるという大きな魅力がある一方、収入の不安定さや保障の欠如、契約内容の理解不足といったリスクも存在します。

これらを踏まえ、契約書の明確化や情報管理、自己管理力・営業力の向上、税務・保険面の整備、そしてスキルアップを継続することで、自由度と安定を両立した働き方を実現できます。この記事で紹介したポイントを押さえておくことで、自分の強みを活かしながらリスクをコントロールし、より豊かで持続可能なキャリアを築くことができるでしょう。

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