接骨院・鍼灸院でも活用可能【2025年度対応】|業務改善助成金の最新変更点と対策5選
ブログ監修者

プランナー
棚橋和宏
(たなはしかずひろ)
【保有資格】

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業務改善助成金とは?2025年度版の基本概要
業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が従業員の最低賃金を引き上げるとき、その費用負担を軽減しながら、生産性向上のための設備投資を支援する制度です。厚生労働省が実施しているこの制度は、「従業員により良い労働環境を提供しながら、事業の質を高めていく」という2つの目的を持っています。
特に接骨院や鍼灸院といった小規模な医療・施術系の事業者にとっては、人件費の増加が経営に直接影響するため、最低賃金の引き上げが悩みの種になりがちです。そうした事業者が、従業員の給与を上げながらも無理なく設備導入や業務効率化を進めるためのサポートとなるのが、この助成金制度です。
2025年度は、制度内容がいくつか見直され、より申請しやすく、活用しやすくなっています。本記事では、その変更点をしっかり押さえつつ、どのようにこの制度を活用すれば良いのか、実践的な対策も含めてご紹介します。

2025年度の主な変更点とその背景
2025年度の業務改善助成金は、申請のしやすさと効果的な活用を重視し、いくつかの重要な変更が加えられました。これらの変更点を理解しておくことで、スムーズに制度を利用できるようになります。
助成率の見直しと新しい区分
まず注目すべきは、助成率の見直しです。これまでよりも明確に2つの区分に分かれ、「最低賃金が1,000円未満の地域では助成率が5分の4」、「1,000円以上では4分の3」となりました。これにより、地域ごとの支援の公平性が高まると同時に、どの程度の助成が見込めるのか事前に把握しやすくなります。
生産性要件の廃止による影響
次に、生産性要件の廃止があります。従来は過去の経営データをもとに生産性の向上を証明する必要がありましたが、この要件が撤廃されたことで、書類作成の負担が軽減されました。これにより、忙しい接骨院や鍼灸院でも申請のハードルが下がったといえるでしょう。
申請回数の制限とその理由
また、申請回数は年度内に1回までに制限されました。これまで複数回申請することが可能でしたが、事務手続きの簡素化と予算の効率的な配分を目的に、このような制限が設けられています。1回きりのチャンスをどう活かすかが、制度活用のカギになります。
特例事業者の新要件と支援対象の変化
加えて、特例事業者の要件も見直されました。たとえば、雇用環境が厳しい地域や、人手不足の業種に対して優先的な支援が行われるようになっています。これは、持続的な雇用確保を促進するための措置です。
最後に、2025年度は全体の予算が増額されました。この予算の拡充により、より多くの中小事業者が制度の恩恵を受けられるようになります。
これらの変更点をしっかり把握し、制度の流れに沿って準備することで、助成金活用の成功率は格段に上がります。
接骨院・鍼灸院が受給対象となる条件とは
最低賃金引き上げの計画策定

業務改善助成金はすべての事業者が申請できるわけではなく、いくつかの条件を満たす必要があります。特に接骨院や鍼灸院がこの助成金を活用するには、制度の要件を正しく理解し、漏れのない準備が重要です。
まず大前提として、申請する事業者が「中小企業」または「小規模事業者」に該当していることが必要です。接骨院・鍼灸院のようにスタッフ数が少ない個人経営の事業所は、この条件にあてはまるケースが多く、助成金の対象となりやすいといえるでしょう。
次に求められるのが、「事業場内最低賃金の引き上げ計画」です。具体的には、現在の院内で最も低い時給を、国が定める一定額以上に引き上げ、その計画を実行する必要があります。この賃金アップが前提となっているため、従業員を雇用しているかどうかも重要なポイントです。
生産性向上のための投資内容例
また、助成金を受け取るには、生産性向上につながる投資を行うことが条件です。たとえば以下のような内容が該当します。
治療器・設備の導入
電気刺激治療器、干渉波治療器、超音波機器などの導入が該当します。これらは施術の幅を広げ、患者満足度を向上させる効果があり、業務の質的改善に貢献します。
レセコン・予約管理システムなどのIT投資
受付業務の効率化やダブルブッキングの防止などを目的としたシステム導入も対象となります。特に人手不足の院では、こうしたIT導入が生産性向上に直結することから、助成対象として有効です。
対象外とされるケース(不交付事由)に注意
一方で注意したいのが、不交付事由に該当していないこと。過去に助成金の不正受給があった場合や、従業員の解雇、賃金引き下げなどを行った実績があると、申請が認められないケースがあります。また、事業継続性に問題があると判断されると、書類審査で落とされてしまうこともあるため要注意です。
これらの条件をしっかり確認し、自院の状況と照らし合わせながら準備を進めていくことが、助成金活用の第一歩となります。
業務改善助成金を活用するための5つの対策ステップ
業務改善助成金を確実に受け取るためには、正しい手順で準備を進めることが不可欠です。ここでは、接骨院・鍼灸院が実際に助成金を活用するまでの流れを、5つのステップに分けて紹介します。
ステップ1:事業場内最低賃金の確認
まずは、院内で最も低い時給がいくらなのかを正確に把握します。業務改善助成金の申請には「最低賃金を○円以上引き上げる」という計画が必要となるため、現在の水準を明確にすることが出発点です。ここでの時給は、アルバイト・パート・社員を問わず、全スタッフが対象となります。
ステップ2:設備投資・業務改善の計画策定
次に、生産性向上を目的とした投資内容を明確にします。どの設備を導入するのか、それによってどのように業務が改善されるのかを具体的に説明できるようにしましょう。たとえば、患者対応のスピードを上げるために電療機器を導入する、待ち時間の短縮を目的に予約システムを整備するなど、実際の課題と連動した計画が求められます。
ステップ3:必要書類の準備とチェック
申請に必要な書類は数多くあります。事業計画書、賃金引上計画書、経費明細書、見積書などが代表的です。どれも書き方に決まりがあるため、不備があると審査で落ちてしまうリスクがあります。最初の段階で、提出すべき書類のチェックリストを作っておくとスムーズです。
ステップ4:申請手続きの実行
書類がそろったら、所轄の労働局やオンライン申請システムを通じて正式に申請を行います。オンライン申請に対応している地域も増えてきており、コロナ禍以降、非対面での手続きが主流になりつつあります。提出後には審査期間があるため、余裕を持ったスケジュールで取り組むことが重要です。
ステップ5:実施後の報告とフォローアップ
助成金は、計画を実施して終わりではありません。実際に賃上げを行った証拠や、購入した設備の納品書、領収書などを報告として提出する必要があります。この報告が適切に行われなければ、助成金の支給が遅れたり、最悪の場合は無効になることもあるため、最後まで気を抜かないようにしましょう。
これら5つのステップを丁寧に進めることで、制度をしっかりと活用できるようになります。初めての方でも安心して申請に挑戦できるよう、この記事では次のセクションで申請の流れや必要書類についても詳しく解説していきます。

助成金申請の流れと必要書類一覧
業務改善助成金の申請を成功させるには、手続きの流れを正確に把握し、必要書類をもれなく準備することが重要です。ここでは、申請から受給までの基本的な流れと、それぞれのステップで必要となる書類について解説します。
申請から支給までの全体スケジュール
申請は、大まかに次のような流れで進みます。
- 賃上げと設備投資の計画を立てる
- 必要書類を作成し、労働局へ申請する
- 審査・交付決定後、計画を実施する
- 実施内容に関する報告書を提出する
- 内容が確認され、助成金が振り込まれる
特に注意したいのは、「交付決定前に設備購入などを始めてしまうと、助成の対象外になる」という点です。計画に沿った行動をとることが求められます。
提出が必要な書類と作成のポイント
申請には複数の書類が必要で、それぞれ記入内容や形式に注意が必要です。主な書類は以下の通りです。 ※必要書類の詳細は別記事で解説します。
・事業計画書
・賃金引上計画書
・経費明細書と見積書
そのほか、履歴事項全部証明書や労働保険関係書類、過去の決算書などが求められる場合もあります。提出先の労働局の要項をよく確認し、抜け漏れのないように整えておくことが大切です。
書類作成に不安がある場合は、社会保険労務士に相談するのも一つの方法です。専門家のサポートを得ることで、申請の確実性が高まります。
よくある質問と注意点【2025年版】
業務改善助成金を初めて申請する方にとっては、制度や手続きについて不安や疑問がつきものです。ここでは、よくある質問と注意点をまとめました。失敗を防ぎ、スムーズに助成金を活用するためのヒントとしてお役立てください。
よくある申請ミスとその対策
「申請書の記載漏れ」や「添付書類の不足」は、もっとも多い申請ミスです。特に事業計画書の内容が曖昧だったり、見積書に不備があると、審査で不利になる可能性があります。記入した書類は一度印刷して見直すなど、客観的な目で確認することが大切です。
また、「交付決定前に機器を購入してしまう」といったタイミングの誤りも注意が必要です。助成対象は、あくまで交付決定後に行った賃上げ・投資のみです。焦らず、審査を通ってから動くようにしましょう。
併用できるその他の補助金・助成制度
業務改善助成金だけでなく、他にも接骨院・鍼灸院が活用できる支援制度は存在します。たとえば、小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金などが該当します。制度ごとに要件や対象経費が異なるため、併用の可否を確認しながら戦略的に活用することで、より大きな経営改善が期待できます。
専門家に依頼する場合の注意点と費用感
「書類の作成が不安」「審査に落ちたくない」と感じる場合は、社会保険労務士などの専門家に依頼するのも有効です。実務経験のある専門家であれば、要点を押さえた書類作成や申請代行をしてもらえます。
ただし、専門家への依頼には費用がかかります。成功報酬型や着手金制など報酬形態もさまざまです。依頼前には費用と業務範囲を明確に確認し、自院の予算に応じた選択を行いましょう。
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