整骨院という名称は使えなくなる?厚労省検討会の内容と今後の影響を解説

ブログ監修者

棚橋 和宏

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

【保有資格】

資格:医療経営士3級
医療経営士3級
令和7年度行政書士試験合格
令和7年度行政書士試験合格(未登録)

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整骨院という名称が議論されている背景

柔道整復師の施術所の正式名称

柔道整復師の施術所名としてよく見かけるのは「接骨院」や「整骨院」ですが、法令上の広告可能事項として長く位置付けられてきたのは「ほねつぎ(又は接骨)」です。厚生労働省の資料でも、柔道整復師法第24条第1項第4号に基づく広告し得る事項の変遷として、この整理が示されています。つまり、「整骨院」は広く普及している一方、法令上の扱いがやや曖昧な名称として議論の対象になってきました。

なぜ整骨院という名称が問題視されているのか

名称見直しの背景には、制度と現場の呼び方にずれがあることがあります。厚生労働省の検討会資料では、「整骨」は告示に規定されていない事項であることが論点として明示されています。現場では一般的に使われていても、制度上の裏付けが弱い名称であれば、広告や届出の整理が必要ではないかという考え方が出てきやすくなります。

医療機関との誤認が指摘されている理由

もう一つの大きな理由は、利用者が医療機関と混同するおそれです。2024年の検討会資料では、「整骨院」という名称について、法令上出てこないことに加え、「整形等と紛らわしい」といった過去の構成員意見が整理されています。名称だけで施設の性質を判断する一般の方にとって、誤解を招きやすい点が問題視されているわけです。

厚生労働省の検討会で議論された整骨院名称問題

広告に関する検討会とは何か

このテーマは、厚生労働省の「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師等の広告に関する検討会」で継続的に扱われています。厚労省の公開ページを見ると、2023年2月の第9回だけでなく、2024年5月の第10回、2024年7月の第11回でも「施術所の名称『整骨院』について」が議題になっており、単発ではなく継続審議のテーマであることが分かります。

2023年の検討会で示された整骨院名称の方向性

2024年5月20日の検討会議事録では、事務局がこれまでの経緯を振り返る中で、前回である2023年2月の第9回検討会において、「整骨院」という名称について新規開設者は不可、一方で開設届済みの施術所は移転や看板の掛け替えなどをしない限り使用を認める方向で整理したことを説明しています。ここが、現在よく引用される“新規は認めない方向”の出発点です。

新規施術所で整骨院名称を認めないとされた理由

厚労省資料では、名称規制の理由として、法令上の位置付けがないことに加え、国民にとって分かりにくいこと、整形外科などとの誤認のおそれが挙げられています。他方で、すでに「整骨院」の名称が広く浸透している実態もあるため、既存施術所まで直ちに一律変更させるのは現実的ではない、という考え方も併記されています。議論は、名称を急に全面否定するというより、まず新規から整理する方向で進んできたと見るのが近いでしょう。

現在の制度では整骨院という名称は使えるのか

法律上認められている施術所の名称

現時点で押さえておきたいのは、「整骨院」という名称が全国一律で法律上禁止されたわけではない、という点です。実際、2025年2月に公表された厚労省の「あはき・柔整広告ガイドラインの概要」でも、広告規制の基本枠組みは示されていますが、ここで直ちに全国一律の全面禁止が断行された形にはなっていません。つまり、議論は進んでいるものの、ユーザーが誤解しやすいほど単純な「今すぐ全面禁止」という状態ではありません。

既存の整骨院の扱い

既存施術所については、厚労省の検討会資料上、当面は使用を認める整理が繰り返し確認されています。少なくとも、すでに届出済みの施術所がただちに全て名称変更を迫られる、という整理ではありません。そのため、現在「整骨院」で営業している院が、今すぐ看板を外さなければならないという理解は正確ではないと言えます。

自治体や保健所による対応の違い

一方で、新規開設や変更届の実務は自治体や保健所の窓口対応の影響を受けます。検討会で新規不可の方向性が示されていても、それがどのように現場で運用されるかは、届出時の確認や指導の仕方によって差が出る可能性があります。開業予定の方は、一般論だけで判断せず、必ず所在地の保健所に事前確認しておくことが大切です。

新規開設の施術所に与える影響

新しく開業する場合の名称の考え方

これから開業する柔道整復師にとっては、「整骨院」は使えるかではなく、「将来まで見て安全な名称は何か」で考えることが重要です。検討会では新規について不可とする方向が示されているため、届出受理の可否だけでなく、後から看板やホームページ、名刺、地図情報の修正が必要になるリスクも踏まえる必要があります。

接骨院という名称を選ぶケース

その意味では、新規開業時に「接骨院」を選ぶ判断はかなり合理的です。法令上の整理と整合しやすく、制度変更があった場合の影響も受けにくいためです。特に長く地域で院を育てていく前提なら、最初から制度とぶれにくい名称を選んでおくほうが、後々の負担を抑えやすいでしょう。

将来的な名称変更リスク

もし新規で「整骨院」を使えたとしても、将来の見直しで変更が必要になれば、看板、印刷物、ホームページ、Googleビジネスプロフィールなど幅広い修正が発生します。名称は単なる呼び方ではなく、集客や認知にも直結するため、開業時点での判断が経営面に与える影響は小さくありません。

整骨院名称問題の今後の見通しと施術所経営者が知っておくべきポイント

今後考えられる制度の方向性

今後の現実的なシナリオとしては、まず「既存は継続可、新規は整骨院不可」という線で整理が進む可能性が高そうです。実際、2024年までの検討会資料でも、その考え方が軸になっています。全面禁止よりは、まず新規から段階的に整理する流れを想定しておくほうが実務に合っています。

開業予定の柔道整復師が注意すべき点

これから開業する方は、名称を決める前に、保健所確認、商標や屋号の確認、看板やWeb制作会社との共有を済ませておくと安心です。特に、あとから名称変更になった場合の修正コストまで見積もっておくと、開業後の混乱を防ぎやすくなります。制度が揺れている時期ほど、無難で説明しやすい名称を選ぶ価値は高まります。

既存の整骨院が慌てる必要はあるのか

現在すでに「整骨院」で運営している院は、過度に不安になる必要はありません。現時点の公表資料からは、既存院まで直ちに一律変更を求める段階ではないことが読み取れます。ただし、移転や大きな表示変更の際には扱いが変わる可能性もあるため、今後の厚労省資料や自治体の案内は継続して確認しておくべきです。正しく恐れ、早めに備えることが、もっとも現実的な対応と言えるでしょう。

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