補助金と助成金の違いをしっかり理解しよう!申請前に押さえるべき制度のポイント

ブログ監修者

プランナー

棚橋和宏
(たなはしかずひろ)

【保有資格】

医療経営士3級

整骨院の開業・運営にかかる費用を少しでも抑えたい、補助金を活用したいとお考えの方へ。
私は医療機器販売と補助金申請支援の経験を活かし、整骨院経営を資金面からサポートしています。
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補助金と助成金はどう違う?基本の整理から始めよう

そもそも補助金・助成金とは何か?

事業運営において、国や地方自治体から提供される資金支援制度としてよく知られているのが「補助金」と「助成金」です。どちらも返済不要な資金であり、経営者にとっては大変ありがたい存在です。しかし、この二つは目的や申請プロセスが大きく異なります。

補助金は主に経済産業省や自治体が実施しており、たとえば設備導入や販路拡大、新商品開発といった「政策目標に沿った事業」に対して支給されます。代表例には「小規模事業者持続化補助金」などがあります。

一方、助成金は厚生労働省や各都道府県の労働局が中心で、雇用の創出や人材育成、労働環境の改善といった「雇用関連の取り組み」に対して支給される仕組みです。代表的なものに「キャリアアップ助成金」「人材開発支援助成金」があります。

根本的な相違点とは?

両者の最大の違いは、「審査の有無」と「申請のハードル」です。

補助金は応募多数の中から審査を経て「採択」された事業者だけが受給できる仕組みで、提出書類の内容や事業計画の完成度が重要視されます。戦略性やプレゼン力も求められるため、ある程度の準備とノウハウが必要です。

対して助成金は、あらかじめ設定された条件を満たすことで受給できる「条件充足型」の制度です。基本的には形式的なチェックが中心であり、審査というよりは書類と実施状況の確認作業に近いプロセスです。そのため、比較的申請の難易度は低めです。

管轄省庁と制度の目的の違い

実施主体による違い

補助金は経済産業省や中小企業庁、または各自治体が所管しており、政策としての経済活性化や地域産業の育成を目的としています。特に新たなビジネスモデルや地域課題への対応など、将来的な効果が期待される事業が対象となるケースが多いです。

一方の助成金は厚生労働省や都道府県労働局が実施するものが中心で、労働環境の整備や従業員の処遇改善が主な目的です。たとえば、非正規社員の正規雇用化、障害者の雇用促進、研修制度の導入などが該当します。

支援目的の違い

補助金は基本的に経済活動を支えるための投資を促進するものであり、地域経済の活性化や事業の高度化が狙いです。接骨院や鍼灸院であれば、設備投資、新サービスの開発、院内の改装などが支援対象になることがあります。

助成金は、主に従業員の処遇改善や人材育成、職場の働きやすさ向上に関する取り組みに対して支給されます。産休・育休制度の整備、スキルアップ研修、資格取得支援などが該当し、雇用の安定性を高める役割を果たします。

申請手続きと必要書類の違い

補助金申請の流れと特徴

補助金の申請には、事業の背景や目的、目指す成果などを具体的に記載した「事業計画書」が必要です。加えて、見積書や決算書、収支予測なども求められます。申請内容は審査員によって精査されるため、論理性や根拠が明確であることが重要です。

また、補助金の申請は年度単位で公募されることが多く、タイミングを逃すと次の申請まで待つ必要があります。結果通知までには1〜3ヶ月、採択後の事務処理まで含めると半年以上かかるケースもあります。

助成金の申請は条件確認が中心

助成金では、対象者の在籍証明や雇用契約書の有無、実施内容の確認など、「要件を満たしているかどうか」がポイントとなります。形式的な条件の確認が主な手続きであり、提出書類も補助金と比べると簡素です。

とはいえ、必要書類の不備や実施内容との齟齬があると不支給になる可能性があるため、管理と記録の正確性は非常に重要です。

難易度と準備期間の違い

審査基準と採択率

補助金は「競争型」の制度であり、限られた予算の中で優先順位がつけられます。審査基準は事業の実現可能性、社会的意義、費用対効果など。制度によっては採択率が30〜50%程度となることもあります。

助成金は要件さえ満たせば受給の可能性が高く、いわば「申請型」です。審査に時間がかかることも少なく、結果も比較的早く出る傾向にあります。

初心者が取り組みやすいのは?

初めて制度を活用する事業者にとっては、申請の複雑さから補助金の方が難しく感じられるかもしれません。特に事業計画の立案に慣れていない場合は、専門家のサポートを活用するのが現実的です。

一方、助成金は要件さえ理解すれば比較的取り組みやすく、まずはこちらから制度の仕組みに慣れるのもおすすめです。

対象事業者や受給金額の違い

対象業種・事業規模の違い

補助金は中小企業や小規模事業者向けに設計されていますが、特に「社会的課題を解決するビジネス」や「新規性のある取り組み」が対象となりやすいです。接骨院や鍼灸院が地域の健康増進や高齢者支援に寄与する場合には、政策と一致しやすくなります。

助成金は業種や規模よりも、雇用制度や職場環境が整備されているかが問われます。たとえ個人事業主であっても、正社員の雇用や研修制度などを導入していれば申請対象となります。

受給金額と用途の違い

補助金の支給額は比較的大きく、数十万円から数百万円、場合によってはそれ以上に達することもあります。ただし、支出の使途は明確に限定され、事前に計画された範囲でのみ使用が認められます。

助成金の金額は補助金に比べると少なめで、数万円〜100万円程度が中心です。使用目的も雇用関連費用に絞られる傾向があり、支給対象が明確です。

接骨院・鍼灸院での活用例と選び方

活用できる主な制度

接骨院や鍼灸院でよく活用される補助金には、「小規模事業者持続化補助金」があります。これはホームページの制作費、新規医療機器の購入、チラシ・広告の費用などに使える制度です。

また、助成金では「業務改善助成金」や「キャリアアップ助成金」が活用しやすく、スタッフの賃金引上げや正社員転換のタイミングで申請されることが多いです。

制度を選ぶ際のチェックポイント

  1. 経営課題との整合性
    支援制度の目的と、自院の課題が一致しているか確認しましょう。
  2. 実務負担とのバランス
    申請から報告までの手間を考慮し、業務に支障が出ない制度を選ぶのが現実的です。
  3. タイミングの見極め
    補助金は公募期間が限られていることが多いため、スケジュールを要確認。助成金は通年で募集されている場合も多く、柔軟に対応できます。

まとめ:違いを理解し、制度を味方にしよう

補助金と助成金は、どちらも事業運営における強力な支援ツールです。ただし、その目的や申請のハードル、審査の有無などは大きく異なります。

補助金は競争型であり、しっかりとした準備が必要ですが、高額な支援が得られる可能性があります。一方で、助成金は条件を満たせば受けられる支援で、特に雇用に関する整備を行う場面で有効です。

まずは「何の目的で支援を受けたいのか」を明確にし、それに最適な制度を選ぶことが成功のカギです。必要に応じて専門家に相談することで、よりスムーズかつ確実な申請が可能になります。

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