補助金・助成金を活用したことがある事業者は何%?中小企業の利用実態

ブログ監修者

棚橋 和宏

プランナー

棚橋 和宏
(たなはし かずひろ)

【保有資格】

資格:医療経営士3級
医療経営士3級
令和7年度行政書士試験合格
令和7年度行政書士試験合格(未登録)

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補助金・助成金を活用したことがある事業者はどのくらい?

補助金・助成金を活用したことがある事業者の割合について、すべての企業を対象とした最新の統一統計はありません。調査ごとに対象となる企業の規模や地域、調査期間、「申請」と「活用」の捉え方が異なるため、結果にも幅があります。

複数の調査を総合すると、補助金・助成金を申請または活用した経験がある中小企業は、おおむね4割から7割程度と考えられます。ただし、この数字をそのまま「全国の中小企業の利用率」と捉えるのではなく、各調査の条件を確認することが大切です。

調査によって利用経験は4割から7割程度

中小企業庁が公表した2020年版小規模企業白書では、直近3年間に補助金・助成金を「利用したことがある」と回答した割合は、小規模事業者が62.5%、中規模企業が69.2%でした。この調査では、規模にかかわらず6割を超える事業者が、何らかの補助金・助成金を利用していたことになります。

一方、2024年に中小企業経営者1,015人を対象に行われた民間調査では、補助金・助成金を「申請したことがない」と答えた割合が55%でした。逆に見ると、申請経験がある事業者は約45%です。企業規模が小さくなるほど、申請経験がない割合が高くなる傾向も報告されています。

2025年に尼崎信用金庫が実施した取引先企業向け調査では、「複数回活用したことがある」が53.4%、「過去に1度だけ活用したことがある」が14.5%でした。両者を合わせると、補助金・助成金の活用経験がある企業は67.9%となります。調査対象は同金庫の取引先企業であり、全国平均ではありませんが、一定数の中小企業が制度を繰り返し活用していることが分かります。

このように、調査結果は約45%から約70%まで幅があります。違いが生じる主な理由は、全国の経営者を対象とした調査なのか、金融機関の取引先を対象とした調査なのか、また「申請経験」と「利用経験」のどちらを尋ねているのかが異なるためです。

少なくとも、補助金・助成金を活用したことがある事業者は珍しい存在ではありません。その一方で、調査によっては半数前後が一度も申請していないことから、制度が多く用意されていても、利用状況には大きな差があると考えられます。

給付金を除いても一定数の事業者が活用している

補助金・助成金の利用状況を確認する際は、給付金が集計に含まれているかにも注意が必要です。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者に支給された持続化給付金などを含めると、支援制度を利用した事業者の割合は高くなる可能性があります。しかし、今回取り上げた主な調査は、設備投資や販路開拓、雇用、賃上げなどに関する補助金・助成金を対象としており、事業者向け給付金の利用率を示したものではありません。

特に2020年版小規模企業白書のもとになった調査は、2019年11月から12月に実施されています。持続化給付金などの新型コロナ関連給付金が始まる前の調査であるため、給付金の利用によって数字が押し上げられた結果ではありません。

また、尼崎信用金庫の2025年調査では、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、雇用調整助成金などの活用状況が確認されています。給付金を除いて見ても、一定数の事業者が補助金・助成金を経営に取り入れていることがうかがえます。

ただし、補助金・助成金の利用経験があるからといって、毎年継続して制度を利用しているとは限りません。過去に一度だけ申請した事業者もいれば、設備投資や経営課題に応じて複数回活用している事業者も存在します。

利用割合を見る際は、「過去に一度でも活用したことがある割合」なのか、「直近の1年間に活用した割合」なのかを分けて考える必要があります。

申請経験と実際の受給経験は分けて考える

補助金・助成金に関する調査では、「申請したことがある」と「実際に活用したことがある」が同じ意味で使われていない場合があります。

補助金は、申請後に審査が行われる制度が多く、申請しても採択されないことがあります。採択された後も、定められた期間内に事業を実施し、実績報告や経費の確認を終えなければ、最終的な受給には至りません。補助金は申請しただけで必ず受け取れるものではなく、審査と事後確認を経て補助額が決まります。

尼崎信用金庫の調査でも、「申請したが不採択となった」と回答した企業が2.5%、「活用を検討したが申請しなかった」と回答した企業が5.1%ありました。申請を検討した企業のすべてが、実際の活用まで進んでいるわけではないことが分かります。

助成金は、定められた要件を満たしたうえで必要な手続きを行う制度が中心ですが、計画書の提出時期や取り組みの手順を守らなければ受給できない場合があります。

したがって、事業者の利用実態を正確に捉えるには、「制度を知っている」「申請を検討した」「申請した」「採択・支給決定を受けた」「実際に受給した」という段階を分けることが重要です。調査結果を見るときも、どの段階を利用経験として集計しているのかを確認する必要があります。

中小企業の補助金・助成金の利用実態

中小企業と一口にいっても、従業員数や事業規模には大きな違いがあります。補助金・助成金の利用状況を確認すると、規模が比較的大きい企業ほど活用経験が多く、小規模事業者では利用割合がやや低い傾向が見られます。

ただし、小規模事業者でも6割を超える利用経験が確認された調査があり、補助金・助成金が一部の企業だけに使われているわけではありません。

小規模事業者の利用割合

2020年版小規模企業白書で紹介された調査では、直近3年間に補助金・助成金を利用したことがある小規模事業者の割合は62.5%でした。およそ8社のうち5社が、何らかの制度を利用した計算になります。

一方、37.5%の小規模事業者は直近3年間に利用していません。補助金・助成金が年間数千件規模で公募されていることを踏まえると、制度の多さがそのまま利用の広がりにつながっているとはいえない状況です。

小規模事業者には、法人だけでなく個人事業主も含まれます。従業員が少ない事業所では、経営者が営業、現場業務、経理、採用などを兼ねていることも多く、補助金・助成金の情報収集や申請準備に時間を割きにくいと考えられます。白書でも、支援策を利用していない小規模事業者のうち、支援情報を「あまり収集していない」とする割合が約半数に上ることが示されています。

中規模企業の利用割合

同じ調査では、直近3年間に補助金・助成金を利用したことがある中規模企業の割合は69.2%でした。小規模事業者の62.5%と比べると、6.7ポイント高い結果です。

中規模企業では、経理、総務、人事などの担当者が配置されていることがあり、制度の情報収集や書類準備を分担しやすいと考えられます。また、設備投資、人材育成、賃上げ、業務効率化など、補助金・助成金の対象となり得る取り組みを実施する機会も増えます。

それでも、約3割の中規模企業は直近3年間に制度を利用していません。一定の人員や事業規模があっても、自社に合う制度を見つけられない場合や、申請準備の負担を理由に活用を見送るケースがあると考えられます。

企業規模によって活用状況に差がある

小規模事業者と中規模企業の利用割合には差がありますが、企業規模だけで利用の有無が決まるわけではありません。

日頃から支援情報を確認しているか、相談できる相手がいるか、設備投資や経営改善の計画を早めに立てているかによっても、制度を利用できる可能性は変わります。小規模企業白書では、支援策の利用実績がある事業者は、利用実績がない事業者より業績が良い割合や事業拡大の意向を持つ割合が高い傾向も示されています。

ただし、補助金・助成金を利用したことが直接の原因となって業績が向上したと断定することはできません。経営計画を立て、必要な情報を集めている事業者ほど、制度も積極的に活用している可能性があるためです。

利用割合の違いを見る際は、単に企業規模を比較するだけでなく、情報収集や申請準備を行える体制にも目を向ける必要があります。

調査によって利用割合が異なる理由

補助金・助成金の利用割合は、調査によって4割程度から7割程度まで差があります。これは、どちらかの数字が誤っているという意味ではありません。調査する企業の範囲や期間、利用経験として数える段階が異なるため、結果にも違いが生じます。

利用割合を比較するときは、数字だけを見るのではなく、誰を対象に、どの期間について、何を質問した調査なのかを確認する必要があります。

調査対象となる企業の規模が異なる

中小企業には、経営者一人で運営する個人事業主から、複数の部署を持つ企業まで幅広い事業者が含まれます。

小規模事業者を中心に調査した場合は、申請業務を担当する人材が少ないため、利用割合が低くなる可能性があります。一方、金融機関の取引先や、設備投資に積極的な企業を対象とした調査では、補助金・助成金の活用経験が多く表れることも考えられます。

実際に、2020年版小規模企業白書で示された直近3年間の利用経験は、小規模事業者が62.5%、中規模企業が69.2%でした。企業規模によって利用状況に差があるため、異なる対象者を調べた結果を単純に比較することはできません。

集計する期間によって数字が変わる

「過去に一度でも利用したことがあるか」を尋ねる調査と、「直近1年間に利用したか」を尋ねる調査では、利用割合が変わります。

対象期間が長ければ、設備投資や販路開拓、雇用などで一度でも制度を利用した事業者が含まれるため、割合は高くなりやすくなります。反対に、直近1年間に限定すると、その年に補助対象となる取り組みを行わなかった事業者は利用者に含まれません。

補助金・助成金は、毎年必ず申請するものではなく、設備導入や経営改善が必要になった時期に利用する制度です。そのため、一定期間の利用経験と、毎年の利用状況は分けて考える必要があります。

「申請」「採択」「受給」の定義が異なる

調査によっては、申請書を提出した時点を利用経験として数える場合があります。一方、採択や支給決定を受けた事業者だけを利用者とする調査もあります。

補助金では、申請後に事業計画などの審査が行われます。採択された後も交付申請を行い、事業の実施と実績報告を終えてから補助額が確定するのが一般的な流れです。したがって、申請経験がある事業者の割合と、実際に補助金を受け取った事業者の割合は一致しません。

申請しても受給に至らない場合がある

補助金は、審査で採択されなければ利用できません。また、採択後に事業内容を変更した場合や、対象外の経費を支払った場合、必要な実績報告を行わなかった場合には、予定していた金額を受け取れない可能性があります。

助成金も、一定の要件を満たせば自動的に支給されるわけではありません。計画書の提出時期や取り組みの順序、必要書類などが定められており、手続きに不備があれば受給できないことがあります。

そのため、補助金・助成金の利用実態を確認するときは、「検討した割合」「申請した割合」「採択された割合」「受給した割合」を区別することが大切です。調査で使われる「利用」という言葉が、どの段階を指しているのかによって、示される数字は大きく変わります。

補助金と助成金では利用のされ方が異なる

補助金と助成金は、どちらも事業者の取り組みを支援する返済不要の制度として紹介されることが多くあります。しかし、制度の目的や申請方法、支給までの流れには違いがあります。

そのため、事業者がどちらを利用するかは、設備投資を行うのか、従業員の賃上げや人材育成に取り組むのかといった目的によって変わります。補助金と助成金をまとめて利用率だけで比較すると、実際の活用状況が見えにくくなる点に注意が必要です。

補助金は事業計画の審査がある制度が多い

補助金は、設備投資、販路開拓、新商品・新サービスの開発、デジタル化など、事業者が新たな取り組みを行う際に活用される制度です。

多くの補助金では、公募期間内に申請書や事業計画を提出し、審査を受けます。申請要件を満たしていても、審査の結果によっては採択されないことがあります。

審査では、取り組みの必要性、実現できる可能性、事業によって期待される効果などが確認されます。設備を導入する場合も、購入したい機器の情報だけでなく、導入によってどのような経営課題を解決するのかを示さなければなりません。

また、補助金の多くは後払いです。採択された後に対象事業を実施し、実績報告や経費の確認を経てから補助金が支払われます。そのため、事業者は設備代や広告費などを一時的に自社で負担する必要があります。

こうした審査や資金面の負担があるため、制度を知っていても申請を見送る事業者がいます。一方で、事業計画を立てて設備投資や販路開拓を進める企業にとっては、成長を後押しする有効な手段となります。

助成金は雇用や賃上げに関する制度が中心

助成金は、主に従業員の雇用、賃上げ、人材育成、働き方の改善などを支援する制度です。厚生労働省が実施する雇用関係助成金が代表的であり、従業員を雇用している事業者が対象となります。

補助金のように、申請者同士を比較して採択者を決める制度とは仕組みが異なります。定められた要件を満たし、必要な手続きを正しく行うことが基本となります。

ただし、要件を満たせばいつでも申請できるとは限りません。賃上げや研修、雇用条件の変更などを実施する前に、計画書の提出が必要な場合があります。取り組みを始めた後で制度を知っても、申請できないことがあるため注意が必要です。

また、就業規則、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書など、雇用管理に関する書類の整備が求められます。日頃から労務管理を適切に行っているかどうかも、助成金を活用するうえで重要です。

助成金は、従業員を雇用している事業者にとって利用できる可能性がある一方、事業主一人で運営している場合や、業務委託者のみで事業を行っている場合には、対象となる制度が限られます。

事業者の状況によって利用できる制度が変わる

補助金と助成金のどちらが利用しやすいかは、事業者ごとに異なります。

設備の導入や店舗改装、広告などを予定している事業者は、補助金を検討する機会が多くなります。従業員の賃上げ、人材育成、正社員への転換、労働環境の改善などに取り組む場合は、助成金が候補になります。

従業員を雇用していない個人事業主でも申請できる補助金はありますが、雇用関係助成金の多くは対象になりません。反対に、設備投資の予定がない企業でも、従業員の賃金や働き方を見直す場合には助成金を利用できる可能性があります。

企業規模だけでなく、従業員の有無、予定している取り組み、投資する時期によって、利用できる制度は変わります。補助金・助成金の利用割合を見るときは、すべての事業者に同じ申請機会があるわけではない点も踏まえる必要があります。

多くの事業者が制度を利用できているとは限らない

補助金・助成金の利用経験がある事業者は、調査によって4割から7割程度とされています。一定数の中小企業が経営に取り入れている一方、一度も申請したことがない事業者も少なくありません。

年間を通じて多くの制度が公募されていても、それだけで利用が広がるわけではないことが分かります。制度の存在を知らない、自社が対象になるか判断できない、申請準備に時間をかけられないなど、利用に至るまでにはいくつもの壁があります。

利用経験のない事業者も3割から5割程度存在する

2020年版小規模企業白書で紹介された調査では、直近3年間に補助金・助成金を利用していない割合は、小規模事業者が37.5%、中規模企業が30.8%でした。

また、2024年に行われた民間調査では、補助金・助成金を申請したことがない中小企業経営者が55%を占めています。調査対象や質問内容は異なりますが、少なくとも3割から5割程度の事業者には利用経験がないと考えられます。

補助金・助成金は、すべての企業が毎年利用する制度ではありません。設備投資や雇用、賃上げなどの予定がなければ、申請する機会がない場合もあります。

その一方で、対象となる取り組みを計画していても、活用できる制度に気づかないまま、自社の資金だけで実施しているケースも考えられます。利用経験がないことが、そのまま利用できる制度がなかったことを意味するわけではありません。

制度を知っていても申請に至らない事業者がいる

補助金・助成金の情報を見つけても、すぐに申請できるとは限りません。

公募要領には、対象者、対象経費、申請期限、必要書類などが細かく定められています。制度の内容を読んでも、自社が対象になるか判断できず、検討を止めてしまう事業者もいます。

申請書や事業計画の作成に時間がかかることも、申請を見送る理由の一つです。特に小規模事業者では、経営者自身が現場業務や経理、営業などを兼ねていることが多く、申請準備の時間を確保しにくい傾向があります。

補助金は原則として後払いであるため、設備費や広告費を一時的に負担できる資金も必要です。申請できる制度が見つかっても、採択されるか分からないことや、先に費用を支払う必要があることから、活用を見送る場合があります。

助成金についても、取り組みを始める前の計画書提出や、雇用関係書類の整備が必要です。制度を知った時点ですでに賃上げや研修を実施していると、申請できないこともあります。

利用割合だけでなく申請されない背景にも注目する

補助金・助成金の利用割合を見る際は、数字の高低だけで判断しないことが重要です。

利用経験がない事業者の中には、制度そのものを知らなかった事業者だけでなく、自社に合う制度を見つけられなかった事業者や、手続きの負担から申請を諦めた事業者も含まれています。

反対に、制度を複数回利用している企業では、設備投資や経営改善の計画を早めに立て、定期的に情報を集めていることが考えられます。補助金・助成金を利用できるかどうかは、企業規模だけでなく、情報収集や準備を始める時期にも左右されます。

全国で多くの制度が公募されていても、必要な事業者へ情報が届き、実際の申請につながらなければ十分に活用されません。利用割合を知ることは、制度がどの程度普及しているかを把握するだけでなく、中小企業や小規模事業者が抱える課題を考えるきっかけにもなります。

補助金・助成金は、国が行っている制度と各自治体が行っている制度を合わせると相当数に及びます。
別記事で解説してますので合わせてご覧ください。👇
https://emio.jp/news/hyojyokinnjyoseikinnhanennkannnannsyuruiaru/

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